S県N津市からうれしいお知らせがありました。
去年10月、「ちょっと違うんですが・・・」と相談がありました。
詳しくは2008年10月10日のブログ「MMSだと中ボケなのに・・・」 に書いてありますので読み直してみてください。
簡単に言ってしまえば「側頭葉性健忘」は、前頭葉機能が合格しているのに、新しい記憶が入っていかないという状態です。
普通のボケは、まず最初に前頭葉機能が働かなくなりますから、記憶力低下によるトラブルが起きた時に、手も足も出ない、どうしていいかわからないのです。
一方、側頭葉性健忘の方は、機転もきくし、工夫もできるし、独創力を発揮することだってお手の物。ただ覚えられないということが起きている・・・
「正常レベル対象のボケ予防教室に参加できるだろうか」という質問には、「お世話役に説明をしてサポートしていただく条件付きで参加は問題なし」と伝えました。
この方の半年後の検査結果が出たそうです。
「側頭葉性健忘の方でも、MMSの成績は上がるんですね。
今日の日付が言えるようになりました。改善と評価してもいいんですね」
秋の質問についていたコメントによると
「テスト実施日は10月1日だったが、『9月19日…いや21日?』と非常に迷っていた」状態だったのですから、覚えられるようになったのではないと思うのですが、いずれにしても今日の日付が言えるようになるということは画期的なことです。
「だって、スタッフのみなさんが見ても良くなってるでしょ。」という私の質問には、実にシンプルに答えが返ってきました。
「はい!表情も一層豊かになって楽しそうに参加されてます」
続けて私からの質問。
「いったん覚えられなくなってしまってから、記憶する力が元通りになるということはないと思います。何をしたらこのように改善できたのかを、ご本人に尋ねてみてごらんなさい」
「それは聞いてあります。『メモをとる』ことだそうです」
または朝起きてからズーと録音し続ける。
録音し続けるとそれを聞くのに多大な労力がいりますから、日常的にはやっぱりメモと言うことになりますね。
10月の時点でN津市のY 保健師さんがこの方の生活指導として、メモの取り方の指導をしてくださったのです。
・メモ用紙は使わない。
・携帯できるような小ぶりのノート1冊を使用する。
・1ページを1日に充当、何でもすぐに記入する。
・日にちが決まるので予定も書き込む。
・1日のうちに毎食後、10時と3時など時間を決めて、何度でも
確認する。
参加された認知症予防教室に側頭葉性健忘の先輩がいらっしゃったことも幸いして、効果的な指導につながったのでしょう。
いずれにしても「側頭葉性健忘の“メガネ”はメモを上手に活用する」ということになります。