脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

(続) 小布施町脳のリフレッシュ教室交流会

2019年03月06日 | 認知症予防教室

先日の小布施町脳のリフレッシュ教室交流会でちょっと感動したことを報告しておきます。この交流会は毎年「例年通り」という企画ではなく、何か新しいことを試行するのですが、今年は「ぴあふるによる楽しい歌コーナー」が用意されていました。

いつでも、舞台上の発表に呼応して会場全体が盛り上がるのです。ただし今回は仲間と一緒に楽しむというスタイルではなく、初対面の指導者がエレクトーンを使っての形式(リトミックのようでした)ですから、参加者の皆さんがどこまで楽しめるか期待しながらちょっと緊張していました。結果はこの通り!
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終了後の指導された先生との問答です。
私「いかがですか?みなさんよく乗ってくださいましたよね?」
先生「いやぁ~皆さんおとなしめだったと思いますけど」
私「えっ!他のところの方々も高齢の方たちなんでしょ?それでももっとノリノリになられるんですか!」
先生「そうですよ。立ち上がって踊りだす方までいますよ」
私「それはどういうところ?」
先生「私たちは、施設にも行きますから」
私「あ、わかりました。それは大人の方が大人の方として楽しむというのとはちょっと違いませんか?ちょうど小さな子供が状況の理解や配慮がないままに、音楽を楽しんでいるという状態ですね。小布施の皆さんは控えめというのが特徴ですから」
先生はとてもお急ぎのようでしたので、それ以上の話にはなりませんでしたが、これだけ多数の高齢者がまったく初体験にもかかわらずここまでできることに、私は驚きました。そしてこれこそが脳のリフレッシュ教室の成果だと思ったのです。それは新しいことに挑戦する、子供の遊びのようなことに対しても拒否感がない、何より楽しんでいる!

前日には上松川コミニュティでの「ポテトの会」10周年記念のお茶会に参加会させていただきました。

4人という小人数の会ですが、「ジャガイモのようにいろんなお料理で楽しめるように、私たちもいろいろ楽しみましょう」ということで「ポテトの会」と名付けたそうです。皆さんそれぞれ個性的。それだけに魅力が増しますね。最近ニューフェースの参加が決まってなんだかワクワク気分が移ってきそうでした。
「一緒に10年も過ごすうちに、当初の目的である脳のリフレッシュ、右脳のトレーニングにとどまらず、困りごと(特に病気のこと)や悩みごとの相談をお互いにしあえるようになったことがとてもうれしい」と皆さんが口をそろえて話ししてくださいました。

お茶会の様子です。お菓子に果物、種々のお漬物、お赤飯まで。ごみ入れももちろん手作りで。この一枚の写真からも、あの時の和やかさがまた立ち上ってくるようです。
これからの高齢社会を心身ともに健康で過ごすためには、地域のコミュニティの力が不可欠です。「遠くの親戚より近くの他人」とはよく言ったものですね。身近な人たちが心を配りあってみんなで元気で過ごしていく。小布施にはこのようなムードがあると思うのは、脳のリフレッシュ教室の皆さんに会うからでしょうか。

上松川コミュニティの玄関に張られていた「ポテトの会」の年間計画表です。担当の方も一緒にお茶会に参加されましたが、認知症予防活動は地域で支えていくものです。ただし重要なことは「元気なお年寄りを、元気なままに」という予防活動でなければ無理です。
「ポテトの会」の方にお話ししました。
「高齢の方たちは認知症をとても怖がってます。心配だから散歩する、趣味を楽しむ、友達付き合いをする。そうして認知症を寄せ付けないようにすることそのものは間違っていません。
この会と他の方々がやってることの違いはただ一つ。脳のリフレッシュ教室に参加される方々は『脳のイキイキ度チェック』をしてもらえるところですよ。『確かに脳は元気です』とか『ちょっと元気がなくなってるけど、何が起きたのでしょうね』と生活を振り返ってもらえるところなんです。自信をもってこれからも『ポテトの会』を続けてくださいね」
皆さん、ぽっとお顔が明るくなったように感じました。
小布施町珈茅のモーニング

上松川でもお話ししましたが、翌日の交流会でもお話ししました。
「認知症発症が2年遅れると、認知症者が33万人、介護費用が7700億円減少する」(どのレベルの認知症か不明、出典も不明ですが、たまたま小布施行きの前日に目にしました)
770000000000÷330000≒2333333 つまり230万円寄付したことになると言いました。医療費も2000億円減少するそうですから、一人が2年認知症にならないと約300万円浮く!全体で約1兆円!
ちょっと古いのですが、小布施のこのデータは何を意味しているのでしょうか。小布施町のどの施策がこれほどの要介護認定率の差を生んだのでしょうか。



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