脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

小布施便り―第10回脳のリフレッシュ教室交流会1

2016年02月23日 | 各地の認知症予防活動

小布施で認知症予防活動が始まってもう15年になります。
脳のリフレッシュ教室と名付けられ各地区で実施されている認知症予防教室も、一番最初に始まった山王島地区はもう13年経過しました!
年に一度の各教室が参加する交流会も、今年は早くも10回目。
交流会に先だって、皆勤賞授与式です。

今年はなんと47名もの方が、教室を一度も休まず出席なさいました。

「―略ー『十人十色』というように、十人いれば十人それぞれの個性があります。ひとりひとりが自分の興味をもち、やりたいことに挑戦し、いつまでも脳(前頭葉)がいきいきと働き続けるように、これからも頑張ってください。
心身ともに、脳も元気で笑顔の絶えない充実した毎日を過ごされることを心から願っています。小布施町長 市村良三」
町長さんはこのように読み上げた後、
「ありがとうございました」といって手渡されていらっしゃいました。
ふつう皆勤賞などの授与の時は
「おめでとうございます」といわれるものではないでしょうか?

市村町長さんは、症状を渡されるたびに「ありがとうございます」と繰り返されていました。
去年まで、どうおっしゃっていたのか記憶にないのですが、今年のこの「ありがとうございました」には、感動しました。
脳の老化がずんずん進んでいかないように、つまり認知症にならないように努力することは、まさに自分のため。ついで家族のためでもあるでしょう。そして、最も大切なことはこの認知症予防の努力は、町やひいては日本という国のためでもあることなのです。体だけでなく、脳も健康でいられることは、どれほど介護負担の軽減につながるでしょうか!経済的にもマンパワーの有効活用の面からも、大きな意味があります。
住民の幸せに直結させる予算の使い方ができるからです。
司会のH間保健師さんが「今も町長が言ったように『十人十色』は大切なことですから、賞品も『十人十色』でみんな違いますから…」と、解説。普通は公平に同じ賞品にしそうなものです。このようなやり方はあまり聞かないことではないでしょうか?(最初の写真の右端のI田さんが、種々の商品が入った紙バッグを抱えています)

会場入り口に北部教室の皆さんのレザーモザイク作品が飾られていました。

同じ材料を使いながら、出来上がりがみごとに『十人十色』
このように右脳主体の結果については「よい・悪い」や「上手・下手」の基準は難しいものです。基準は「好き・嫌い」でしょう。自分が作った作品は、ほかならぬ自分の右脳が色や形を中心にデザインしていますから、結果の作品は「気に入ってる」ものなのです。

ことしのサルで十二支一巡。北部教室も今年は13年目に入ります。本当にありがたいこと…
そして、のびのびとした作品たちを見ると「上手に作るというよりは、『十人十色』の個性を大切に作るという姿勢が、皆さんの中に育まれてきたなあ」という感慨が湧き上がります。
認知症予防教室は、脳をイキイキと使うことがその大きな目標ですから。

一番最初は都住地区の発表でした。
「これな~にゲーム」。一工夫した質問ボード(時事トピックスの質問)を提示し、会場から答えを募ります。回答は北陸新幹線、五郎丸歩選手、マイナンバー制度、御嶽海(私は知りませんでした)などなど。
そのボードは字もデザインも一つずつ違えてあるところに気づきましたよ。いいですねえ。

ちゃんと会場から手が上がるのです。(市村町長さんも私も手を挙げましたが、当ててもらえませんでした)

もちろん正答。すると商品が配られます。手作りのそれはすてきな折り紙箱。折り目もきちんとして色合いもすてきでしたよ。その中に飴が三つ!

会場は大盛り上がりでした。
このくらい毎日の生活を楽しむことができたら、認知症は道の向こうに隠れたまま出てくることもできません。
「歌」は右脳の担当ですから、交流会にはいつでもよく登場します。
北部教室、K沢さんの替え歌作品。認知症予防教室で「大切にすべきこと」を本当に理解して下さってます。

「見聞を広げよう」
「私の作品 いまいちだけど 一つしかない一番だ」
「歌ってる時ユートピア」
「笑いのつくもの大歓迎」
「いきいきチェック わたしの為と思えば受けられる」 
住民にここまで理解してもらえるということは、小布施町地域包括支援センターのスタッフの皆さんの生き方・考え方にも「右脳重視。前頭葉大切」の精神がしっかりしみ込んでいるということでしょう。
皆勤賞の賞状や賞品にも、その姿勢がよく表れていました。

交流会に先だって、小布施町保健福祉委員の方々との勉強会で配られたパンフレットです。勉強も大切ですが生活を楽しむことも同じように大切という精神がよくわかりますね。
よくぞここまで来ましたね。
「おめでとうございます」と書きながら、やはり「よくがんばってくれました。これからの日本のあり方のモデルができました。ありがとうございます」と言いたくなります。 

 


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