寝室のステレオセットのスピーカーは、以前にも登場させたBOSE 101ITです。
このスピーカーを買ったのは1990年12月23日のことでした。
バブル景気がピークを過ぎたとはいえ、世の中の大部分の人たちはまだまだ踊っていましたっけねぇ。
で、このスピーカーの入った箱を手に、京浜東北線で帰路についていたところ、車内でこの日行われた第35回 有馬記念のことを話題にしている人たちがいました。「よく勝ったよなぁ~、オグリ…」といった内容です。
当時、競馬に対する関心がほぼ皆無だった私でしたが、それでも、稀代のアイドルホースとして人気・実力ともずば抜けた存在だったオグリキャップの名前は知っていました。
そして、「もう終わりだ」「限界だ」と言われながら有馬記念に出走したことも…。
馬ぬいぐるみ4L オグリキャップ 第35回有馬記念 価格:(税込) 発売日: |
サイズもデカけりゃ(全長150cm)、値段も高い(105,000円)
当時の「馬柱」を見てみましょうか。こちらデス(日刊競馬の当日紙面)
かなり軽い扱いです。でも、それにしては、単勝オッズ(最終)は5.5倍で4番人気と、それほど低くはありません。
引退レースを迎えたオグリキャップへの応援馬券も相当混じっていたのでしょう。
その後、競馬にハマった私は、オグリキャップのレース映像を観たり、関連本や雑誌記事を読んだりして、そして、オグリキャップは稀代のアイドルホースとなるだけの話題性と実力を持った馬だと(バブルではない)確信したのでありました。
そんなオグリキャップが亡くなりました。スポーツ紙ならともかくも、一般紙でも、TVのニュースでも報じられるニュースになっています。
その報道のほとんどが、
放牧中に右後ろ脚を骨折し、診療所に運ばれて死んだ。
といった書き方になっていますが、NHKのニュースによれば、直接の死因は「安楽死」だそうな。
競馬ファンにとって「骨折⇒安楽死」は「よくある話」ですが、競馬に疎い人にとってはかなり違和感がありそうです。「どうして治療してあげないんだ」とネ。
人間の場合、首の骨ならまだしも、手足の骨を折っても命に関わるようなことはありません。お年寄りの場合、足の骨を折ったことで寝たきりになってしまうケースは少なからずあるようですが。
競走馬でも、普通ならば安楽死させるような重い骨折を負った馬の延命治療が施されたケースがあります。一番有名なのはテンポイントのケースでしょうか。
私は、雑誌「優駿」で、延命治療が図られたサンエイサンキューの話を読んだことがあります。1992年の第37回 有馬記念(私が初めて馬券を当てた印象深いレース)で骨折したサンエイサンキューは、オーナーの意向で安楽死させず、延命治療が試みられました。しかし、2年弱の間に4回の手術をはじめ、医療スタッフの懸命な努力にもかかわらず、結局、苦しみ続けて心臓麻痺で亡くなりました。
優駿 2010年 07月号 [雑誌] 価格:¥ 700(税込) 発売日:2010-06-25 |
「優駿」の記事を読んで知ったのは、「4本の脚で歩けない馬は生きられない」ということでした。
サラブレッドの場合、残った3本の脚で自分の体重を支えることはできないらしいのですよ。
それならば、体を支える器具を作ってあげれば? と思いますが、それもまたやっかいらしい。
馬の蹄(ひづめ)は、馬が歩くたびにその体重のおかげで「たわむ」ことで、栄養分が蹄全体に循環しているのだとか。それが、馬が器具に固定されて人間でいう「寝たきり」になると、蹄内部の循環が行われなくなり、蹄葉炎を発症してしまうのだそうな。
また、骨折した脚も、骨折自体が完治するまでの間、常に蹄葉炎の危険にさらされます。
こんなタイミングで、第16回 ジャパンカップを勝ったSingspiel(シングスピール)が、蹄葉炎が悪化したことで安楽死になったというニュースが飛び込んできました。
シングスピールといえば、私が友人たちと共同で一口(共同で一頭ではありません)持っている馬のおとっつぁんデス、どうでもいいことですが…
馬も生き物ですから、いつかは死にます。できるだけ長い期間、楽しい時を過ごしてもらいたいと思います。
最後に、第
35回 有馬記念の結果を載せて、オグリキャップの冥福を祈ります。
併せて、シングスピールの冥福も…。合掌。
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