一昨日、今年初めて、埼玉県立近代美術館(MOMAS)に行ってきました。
現在、MOMASでは企画展「版画の景色 -現代版画センターの軌跡-」が開催中で、私のお目当てもこの企画展だったのですが、この展覧会はもちろん、MOMASコレクション(常設展)も、MOMASご自慢の「今日座れる椅子」も、そして、MOMASのある北浦和公園もぜぇ~んぶ楽しくて、いやはや、さすが でございました
で、どんな展開の探訪記にしようか、どれから書き始めようかと、一昨日から考え続けてきました。結局、展開は成り行きに任せる ことにしまして、まずは、北浦和公園にあったこちらから
しっかりと石が積まれた「何か」でして、ベンチかな? と思ったものの、ベンチにしては結構高さがあるし、ベンチであれば座面にあたる場所には、その上を人が歩いたらしくて泥がこびりついています。
真横から見ると「石橋」のようでもあるし、この角度で見ると「芋虫」か「蛇」のようでもあります。
いったい、何かだろ? と思ったら、MOMASからTweetの返信をいただきました。
お話の公園の石積みベンチは期間限定設置のもので、3月には「庭」をテーマのシンポジウムもありますので、またぜひお越しください。
だそうです。
やはりベンチだったんだ…
そして、この記事を書くにあたってMOMASのHPを見ると、これは「風のカタチ」という名前のベンチで、
日本庭園協会埼玉県支部との共催で、2017年11月に石積みベンチ「風のカタチ」が設置されました。職人が伝統的な技法と現代の創意工夫を結集させて作り上げたこのベンチ、2018年3月末までの期間限定設置となります。
とな
そうかぁ~、「石橋」に見えたのも納得がいきます
でも、「ベンチ」として使ってもらうには、座面の汚れをなんとかしないと…
一方、MOMAS館内の「今日座れる椅子」は、どれも座るのがはばかれるような佇まい…
でも、座ってきました
最初に座ったのは、
剣持勇さんの「丸椅子/ラウンジチェア」(1960)でした。
名前のとおり、ホテルや美術館などのラウンジに似合いそうです。
二つ並んでいるところなんて、とっても cute
編んだラタンがきれいだし、座り心地も、ギシギシいうきしみ音と共に心地良かったですぞ。
次はこちらのベンチ。
作者の谷口吉郎さんって、建築家のあの谷口吉郎さん?
生没年(1904~1976)からして、間違いなさそうです
東京国立博物館の建物を親子で設計した(父・吉郎:東洋館、子・吉生:法隆寺宝物館)という希有な親子のお父さんの谷口吉郎さんは、先代の山種美術館を設計するのと一緒に、このベンチもデザインしたんですな
どことなく帝国ホテルの建物と什器を一緒に設計したフランク・ロイド・ライトを彷彿とさせます。
それにしても、角材を間隔を置いて並べただけ(っぽい)ベンチの上に置かれた縄編みの「おザブ」が日本的ですねぇ~
最後は、どことなく「蟻」っぽいこちら。
説明板を見ると、アルネ・ヤコブセンの「アント/モデル3101」(1952)という椅子でした
やはり「蟻」のイメージだったんだ
でも、どうせなら、6本足にすればよかったのに…
ということで、「版画の景色 -現代版画センターの軌跡-」とMOMASコレクションのお話は後編で。
【追記】「後編で」と〆たつもりだったのですが、不本意ながら3部構成になってしまいました。(2018/02/18 20:08)
つづき:2018/02/18 今年も埼玉県立近代美術館は楽しい (中編)