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パルコン旅行記

☆マイホーム建築への道のりとパルコンでの生活
(番外編を含む第1章~第5章)
☆寄り道日記

畑が欲しい

2007-04-12 07:28:15 | 第1章】きっかけ
 のどかな風景をみると、中津川の祖父母の家を思い出します。

 家に向かう坂道には桜が咲き乱れ、少し肌寒い澄んだ空気の中鶯が鳴く。
田んぼの畦道には、吹野等がちょこんと顔を出す。

 早くから行動開始する祖父母の、客人を気遣う遠慮がちな障子の開け閉め、 庭を散歩する鶏の鳴き声で目を覚ます。
クマゼミが鳴く日中は、伯父伯母達が植えたであろうトマトやきゅうりの畑をかき分け、その鮮やかさに見惚れる。
小川の水を引き込んだ「舟」と呼ばれる水受け場には、スイカや野菜が浮き適度に冷やされている。
時に起こる夕立は、丘の上の杉山に向かい、まるで線香花火の様にキラキラと光を落とす。
夕方になると山は赤く暗く色を変え、カナカナ・・と物淋しく蜩が鳴く。

 琥珀色の稲が風に揺れる。主たちは台風の心配をしながら外を見る。
晴れた空の下、稲刈りの音が遠く近く響く。忙しいはずがなぜか楽しいそう見える人達。
いつの間にか握られたおにぎりが畦道に並ぶ。生きている事に感謝すら覚える営み。
点々と植えられた柿が、一年を振り返り満足気に赤くなる。

 ここに来られた事が奇跡の様に深い雪。個性的に仕上がった雪だるまやカマクラ。
火鉢で焼けるお餅や、足を滑らすと灰だらけになる囲炉裏コタツの豆炭の匂い。
新年の挨拶は特別改まっていて、全ての人が畳に頭をつけてお祝いの言葉と共に、その一年も友好に過ごせる様お願いし合う。
凧揚げや羽根突き、従兄弟との雪合戦では拗ねて泣き、池の氷を割っては底にいるはずのフナを心配する。
夕食を済ませるとすっかり暗く、電気も無い外の便所に行くのが心細い。それでも玄関を一歩出ると空には天の川?と思う程の星星星・・・そして流れ星。
夜になるとコタツを囲んで布団が敷かれ、四方から足先入れみんなで温まりながら眠りに就く。澄んだ空気と静かな夜。

 語り尽せない思い出と夏に見た光景、生きる為の野菜作りとあの美味しさを忘れられず、殺伐とした社会を離れ汗を流したいと思う様になった次第です。



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