陶芸家と言っても、いつも窯を焚いているわけではない。
ロクロに向かって作品を作る作業も毎日ではない。
では私は何をしているか。考えている時間が殆ど。
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工房前で |
大きな作品を焼き上げなくては、と準備を行った。
ビーチパラソルを広げ、工房前で作業開始。
毎日ほとんど雨が降らない今年の梅雨。
湿気は多いが雨が降らないのは嬉しい。
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勝手口前で |
トラのいるところは勝手口の前。
トラは相変わらず私の近くにいて、
昼寝をしたり、気が向けば工房の中に入ったり。
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何か? |
うたた寝をしているかと思いきや、
垣根の中に小鳥でもいたのだろうか、
しきりに見ている。
トラは小鳥やネズミを捕まえない。
シロがいた時は小鳥など捕まえては見せに来ていた。
我が家の垣根、小鳥が遊ぶのに具合がいいらしい。
シロはその中に入っては小鳥を捕まえていた。
大きく伸びた垣根、うっそうと茂った庭木、
こんな我が家でも季節の鳥が遊びに来てくれるのは嬉しい。
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釉薬準備 |
いよいよ作品の釉薬掛け。
狭い工房の中、釉薬にゴミなどが入らないよう、
ロクロ場と兼用になっている所を徹底的に掃除。
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青磁釉薬 |
さて準備もできたし、釉薬をかける瞬間が近づいてきた。
青磁作品の釉薬掛けはとても気を遣う、と言うか緊張する。
厚くかけなければ青く発色しないし、かと言って簡単に掛けられない。
心落ち着かせ、気合を込めて一気に作業を行う。
いつものように、ハラハラしながらも何んとか掛け終えた。
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小花 |
関東や太平洋側では集中的に雨が降っているが、
今のところ幸いにも雨が少ない北陸。
何をするにも濡れなくて良い。
窯焚きの間、
家の中の細々したものを片づけたり、掃除したり。
窯の温度を確かめるたびに前庭を覗いてみたり。
季節の変わり目か、アジサイと鉄砲百合しかない庭、
何かないかと探したら、あった。ちっちゃい小花。
日中は咲いていたが、夕方にはしぼんでしまっていた。
「 花の命は、はかない 」、本当にそのとうり。
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高温 |
深夜、窯の温度も次第に上がってきて、
炎の色も黄色から白に近い色へと変化してきた。
さあ、ここからが勝負。
窯の中の温度を確かめたり、炎の色を確認したり。
目的の温度が近づくにつれ、再びドキドキが始まった。
「 よし、いま 」、窯の火を止めた。
数日後、またハラハラ、ドキドキして窯を開く。
何んとかうまく焼き上がっていてほしい。