創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

コシヒカリ

2008年09月15日 | 日記

Photo


        西の方角から加賀産業道路の向こう、荒木田町風景 ・・・遠くの山は観音山・・・


                      =農道をはさんで=
            左ー減反の田               実ったコシヒカリー右


北陸の秋、今年は天候に恵まれ稲もすくすくと育ち、稲穂も重く垂れて豊作。
毎年稲刈りが始まる直前になると大雨が降り、実った稲穂の重みで稲が倒れてしまっていた。
そのまま天気が快復せずに雨が降り続くと、倒れた稲穂から芽が出て、すべてが水の泡に。

極力倒れないようにと肥料も少なめに施し、こうして無事に稲刈り時期を迎え、
秋祭りの今日までに殆どの稲刈りがとどこおりなく終了。

Photo_2

   霞(かすみ)のかかった、観音山


    減反を逃れた コシヒカリ

今年も農業政策で、かなりの農地では減反を強いられてきた。
この日記を書く前に無責任なことは書けないと思い、再び関係機関に電話し状況を聞いた。

政府の農業政策で、4ヘクタール以上の農地面積を持っていないと、
米を作っても補助金が出ないとのこと。 小規模農家には殆ど補助金が出ないと言われた。
その為、小規模農家の我が町内、数軒が集まって集落農業なる団体を形成し、
グループで米などを作っている現状である。

では小規模、例えば田んぼ1~2枚しかない小農地の農家はどうなるのかと問うと、
「 別に米は作るな、とは誰も言っていないし、作ってもいいのですが補助金は出ない 」と。
突っ込んで聞いてみると、「 全く出ないのではなく、その農家の事情によって出ます 」と。
ではいくら位? 「 それぞれの町内の事もあるし、後継者がいるか居ないかで差があります 」と。

Photo_3

   重く垂れた 稲穂

もうひとつスッキリしないので、更に突っ込んで聞いてみた。
数年前に決まった集落営農、ある程度の農地がなければ米を作っても買い取ってくれないと・・・。
「 確かにその時は政策で決まったが、不都合が出てきて今のように変わってきたのも事実 」と。
「 だから誰でも米をつくってもいいけれど、補助金に差があるのも事実です 」と。

う~ん、何だかもうひとつスッキリしない。
米余りだから減反を押し付けてきている農業政策。
上の全景写真のように、左側は減反で、麦を刈り取ってからは荒れ放題のまま。
右側だけに米が植わっている。

また食い下がってみた。
減反の田には、麦の他に大豆やその他の植物を植えて、それを買い上げてもらうことは?
「 減反の田に限って言えば、4ヘクタール以上の農家の作った農作物でなければ
買い上げも補助金も出ません 」と。
「 小規模農家が減反の田で何を作ってもかまいませんが、補助金も何もありません 」と。

Photo_4

   減反の田で佇む アオサギ

ついこの間からテレビで大きく取り上げられた、事故米。
何も知らない消費者は、何らかの形でその有害な米や米製品を買い、食べていた。
工業用にと輸入された有害な事故米。 業者はそれを高く売り利益を上げていた。
ぶざまな検査体制で、何倍もの価格で取引されたこれ等の有毒な事故米、
こんな大変なことになる位なら、減反せずにわが国で米を作ればいいのではないのか?
農水省は、それらの機関は、いったいどんな仕事をしているのか? これでいいのか?

減反を強いられてきた農家にとっては誠にたまらないくらい、残念な政策である。
毎年少しずつ気候変動が起きてきている。 もし世界的に天災が発生して農作物が
作れなくなった時、いったい何処の国の誰が日本の食糧を保障してくれるのだろう。

農業に携(たずさ)わっていなければ分からない、この現実。
皆さんはどのように思っているのであろうか。
確かに日本の米は高いかも知れない、けれど安全である。
今回の事故米(有害米)のように、高く売られれば同じ事である。

何もない雑草ばかりの田で、サギだけがひっそりと佇んでいた。

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