梯川沿いの 蓮田 夏だというのに、なぜかスッキリとしない日々が続いている。 夏といえば定番のヒマワリ畑を連想してしまうが、今年の夏は湿気が多く、水辺の花が似合う。 そのような事を思いつつ、にわか雨が去ったあとに堤防を歩いて来た。 何の用途に使われているか分からない、梯川横の蓮田。 今年も見事な花を咲かせている。 広さは東京ドーム2個くらいだろうか。 ひと月前、ブルドーザーが蓮田に入って芽を出し始めた「ハス」をキレイに均(平らに)してしまった。 去年も、その前の年も、そのまた前の年も同じことを繰り返している。 レンコンを採るのを見たこともなければ花を摘んでいる姿も見たことがない。 梅雨半ばに若芽をブルドーザーで踏みつぶされ、それでも元気に、再び花芽が伸びている。 何の為、がどうしても頭から離れず、横を通るたびに疑問がわいてくる。、 この夏の空同様、スッキリとしない気分である。
真っ青な空は見えない夏だけれど、雨が残してくれた贈り物。 大きな蓮葉には雨だまりが光を受け、輝いている。 撥水作用のある葉に水が溜まり、太陽の光を受け輝いている姿は美しい。 この蓮の姿と雨だまりは、多くの作家達が絵柄の題材として取り上げている。 雨が去った後の昼下がりは風もなく何となく静かな気配。 ときおり水の重さに絶えかね、パシャ、パシャ、と何処からともなく音がする。 気づかずに葉に触れると、溜まった水が降り注いでズボンが濡れてしまった。
蓮、と言えば当然ながら睡蓮も連想してしまう。 印象派で有名な、クロード・モネ。 彼が描いているのは睡蓮。 では蓮と睡蓮の違いは? 蓮は花芽が水面より更に上に伸びてきて、そこで花開く。 睡蓮は水面に漂うように、水面上で花開く。 蓮花の種類はそれほど多くはないが、睡蓮は多種多様な花が咲く。 毎日目にしている、この広い蓮田。 美しく淡い桃色の花が散る前に、何の目的でここに植わっているのか、 ぜひとも知りたいと思うこの頃。 |