創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

ひさしぶりの

2006年12月12日 | 日記

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今年の秋から初冬にかけての小松地方、何だかスッキリとしない天候が続いています。

いつもロクロに向かって作品を作っている時、ふっと視線を上げると窓越しに
白山の穏やかな姿が見えるのです。
大きくゆったりとした白山、四季折々の姿を見せてくれ心を和ませてくれているのです。

しかし何故か今年の秋、その姿を見ることができなかったのです。

きのう、久しぶりに本当にひさしぶりに姿を現してくれたのです。
急いでカメラを取り出し、いつもの梯川の堤防へと出かけました。
風は冷たく、また風邪をぶり返すかと思いましたが、それよりも穏やかな白山をフィルムに
収めたい気持ちが勝って、ポイントを探しつつ、これも一ヶ月振りに散歩をいたしました。

堤防の満開だった花々は次の季節の準備へと移り、その可憐な姿はありませんでした。
ただススキの穂が一斉に風になびいて、ひさしぶり~と歓迎してくれているようにも思えました。
その一角に調度よいポイントがあり、土手に座ってしばしのあいだ白山を眺めていました。

私が眺めている白山の方角は東南、そして背に受ける強い風は川面を渡ってくる北風。
太陽の光もそれ程強くなく、急いでフードをかぶってしまいました。
むかし読んだ童話に、太陽と北風、どちらが旅人のコートを脱がせることが出来るかと
ありましたが、現実の北風はやはり冷たい、ここでは北風の勝ち、そんなことを思い出しつつ
カメラを構えました。それにしても背を押す風は強いです。ほんの一瞬弱まったときを待って
一枚撮りました。

長い間会えなかった人にめぐり会ったような、そんな感じさえも覚えてしまいました。
白くなだらかな、それでいて荘厳な白山、私の大好きな山です。
中学生の後半から30歳前半まで、毎年登った白山。いまも自然が守られております。

機会があればもう一度登山してみたい、あの時の感動を味わいたい、あの頂上から
眺めた空の色、残雪の色、雪渓の青を見てみたい、そんな思いにしばし耽っていました。

私が青磁の色を求めたのも白山が最初。若かった頃の記憶がどこかに残っていたのでしょう。
今はそれらを含めて自分の「青磁」の世界を創りたい、そう思っています。

初冬の日暮れはやけに早く、気がつけば30分も座っていました。
すっかり冷え切った体を早く温めなくてはと、帰り道は早足で歩いて参りました。
一ヶ月振りの小松の空のもと、白山がふたたび姿を現してくれるようにと祈りつつ。

コメント
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