創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

東大寺 ・ 参拝

2010年07月20日 | 日記

いつかは東大寺に参拝をと思いつつ、中々その機会がなく、
というより何となく気恥ずかしさも手伝って、
近くまで何回も行っていたのに参拝してこなかった。
今回、個人的な事情も重なり、これまでのお詫びとお礼をしに参拝してきた。

近年、関西方面へは特急電車で出かけることにしている。
大阪までの乗車券を買ってあったが京都で途中下車、近鉄に乗り換え奈良へ。
出かける前から雨が降り、奈良駅を降りたときにはすでに雨。 バスで春日大社へ。

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    春日大社・鳥居

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    燈籠から鹿のお出迎え

久し振りに訪れた奈良・春日大社、雨の中、鹿たちも静かに迎えてくれた。
苔むした燈籠やせせらぎが、ムッとする湿気を追い払ってくれているようにも感じた。


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   回廊


   次第に雨が強くなり、
   人々はあちらこちらで雨宿り。

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   回廊脇の燈籠


   蝋燭をともす為の
   須恵器皿が添えてある。

いくつもの御社(おやしろ)があり、その中の一つ、銅で作られた吊り燈籠の姿が目に付いた。

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    格子戸と燈籠

いつもはサッと巡ってしまう春日大社、雨が降ったお陰か、ゆっくりと参拝し満足。
丁度昼時間、ガイドブックやネットで調べた食事処・ゆうすい・が分からない。
太陽さえ出ていれば、その影や時間で場所を特定できるのだが、今回はそれは無理。
春日大社の係りの人に聞いてもわからない、門番の人なら知っているからと言われ、
「 ゆうすい 」の場所はと地図を見せて聞くと、東大寺近くの交差点手前、と言う。
礼を述べて雨の中、500メートル近く歩いてたどり着いたが、そこは東大寺前の土産店。

人力車の若者に尋ねたら、春日大社門番のすぐ近く、春日山に向かう30メートルの所だと。
びしょぬれになって再び門番近くまで。 あとで思ったこと、人力車に乗ればよかったか?と。

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   ゆうすい・外のイス席。


   さすがの大雨、
     誰も座っていない。

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   1、280円の昼食



   ご飯は小豆(あずき)ご飯

   惣菜は栄養的に
       調和が取れている。

   しかし、味付けは超うす味、
   ・・・というより、
   味付けを忘れたのかな?

今回ここを訪れたのには理由があって、葛餅、ワラビモチが大好きなため、
ネットで調べたら、「 ゆうすい 」が美味い、と出ていた・・・ならばぜひ一度と訪れたのだった。

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   お客の注文を受けてから
   作る、蕨モチ(ワラビモチ)。


   あずき餡、きな粉をつけて。

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   おたまですくった

     ワラビモチ。

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   やっぱり、
        あずきの方が・・・。

行ったり来たりしたけれど、おなかも満足、服も乾いたし次は参拝目的の東大寺へ。
先ほど行って戻って来た道を再び下り始めた、が突然の前が見えないほどの大雨。
歩道も車道もザーザーと川状態。 もちろん乾いた服もクツも何もかもびしょ濡れ。
カメラだけは濡らさないように気をつけ、500メートル先の東大寺へ。

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   観光客は土産店の中に避難。


   親子の鹿だけが迎えてくれた。

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   小降りと同時に人々が。

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   山門から大仏殿。

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   柵の間から大仏殿全景。

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   レンズで大仏殿に近寄る。




   山門から直接中には入れず。


   グルっと回って大仏殿に
    入るようになっていた。


   この場所でお礼とお詫びの参拝。

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   東大寺をあとに。

1987年、昭和62年安宅関八百年祭で
私の茶道具が献茶式に使われることに選ばれ、
献茶式に招待されて来られていた、当時の東大寺貫主から
ぜひ東大寺にも献茶式に使われた盌と同じものをと、買い上げてもらった白磁天目盌。

東大寺まで大切に持って行ってくださった方が、
当時重篤の病気で入院中の私に様子を知らせて下さり、
四十人余りの高僧が円座になり、一人ひとりが私の白磁天目盌を見定めし、
その結果、皆さんが納得して初めてお買い上げと。
貫主が良いといったのだからと、簡単に思っていたけれど、
とても厳粛な儀式で緊張のきわみだった、と話して下さった。

1987年、昭和62年、今から23年前36歳の時、手術と入退院を繰り返していた年だった。
東大寺がある限り、宝物殿が有る限り、私の白磁天目盌は東大寺に大切に保管されている。
ありがたい、こころからそう思い、東大寺をあとにした。

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    大阪NHK。

その晩はもう一つの目的、大阪NHK大ホールで行われる、パリ祭を観賞。

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    サンケイパリ祭。

昨年も同時期に行われた神戸でのパリ祭に出かけ、あまりにも稚拙な演出に辟易し、
今回も不愉快な思いをするかと危惧していたが、無駄な演出も学芸会のような司会もなく、
それぞれの歌い手の持ち歌を堪能でき、満足。

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   梅田に戻る。

シャンソンの、人間味溢れる歌詞とメロディーを心の中で歌いながら気分良く、
大阪梅田駅のホテルへ。
梅田までの地下鉄の車中、
「 個展が終わった後、兵庫県立芸術文化センターのコンサートを予約した、」と。
はぁ~、仙台の個展がどうなるか心配なのに・・・・・なんたることか。

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   道頓堀。

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   心斎橋

翌朝、梅雨が明ける予感がするほどの良い天気に恵まれ、しばし大阪見物。
船場の商店街を見て回ったり、心斎橋、道頓堀を端から端まで歩いたり。
前回クツで足を痛めたが、今回はゆったりしたクツで軽快に歩けた。

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   小さな喫茶店。

雨上がりか、気温も湿度も半端でなく、静かな喫茶店でゆっくりと休んだ。
今回の奈良、大阪、個展準備中だったが満足した日々だった。

午後7時27分、心地良い疲れの中、サンダーバードはゆっくりと大阪駅ホームを離れた。
・・・本当にゆっくり・・・そして途中何度もなんども停車。
琵琶湖湖西線付近が大雨の為、徐行運転を行いますとのアナウンス。
最初は6分遅れで発車、途中幾度も止まったり、動いたと思ったら歩く速度だったり。
列車は1時間半遅れの11時に小松着。 初めて経験だった。

奈良、大阪から帰って一息つくまもなく、翌日は素焼き窯出し。
焼き方を変えたためか、何とか無事に焼き上がっていた。
梅雨も明け、次の素焼きの準備を行い、昨日早朝から素焼きを行っている。
今回もうまく焼き上がりますように。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
気分転換の小旅行、息抜きできて何よりですね。た... (島田)
2010-07-22 02:39:09
気分転換の小旅行、息抜きできて何よりですね。ただ雨に打たれて体調崩さなければよろしいのですが。

シャンソン歌手の石井好子さんが死去されたそうですね。

先生は石井さんのステージはご覧になったこともあるのでしょうね。

また、ちなみに先生はシャンソン歌手のどなたがお好みでしょうか?
返信する
島田 様 (by 堂前)
2010-07-22 14:49:03
島田 様

修業時代ラジオを聴きつつロクロを回していて、その当時地元密着の良い番組があり、
ゲストに石井好子さんがいつも来られていて、その歌声を聴いていました。
直接にはお目にかかっていません。

特定のシャンソン歌手よりも、歌、そのものが好きなのです。
特に心うつ歌詞とメロディーに魅力を感じているのです。
返信する
楽しく、けれど雨で大変だった奈良、大阪へのご旅行、 (入道雲)
2010-07-23 15:53:17
楽しく、けれど雨で大変だった奈良、大阪へのご旅行、
興味深く拝読いたしました。 私もその場所にいる気分になりました。

ところで文面中の東大寺の事が気になりました。 何かあったのでしょうか?
推察するに、きっと若い時の堂前さんの作品が選ばれたことに対しての、
他の誰かから邪推や嫉妬などがあって、そのことがトラウマなどになっていて
今日まで東大寺に出向かれなかった、のでは・・・と。 
間違っていたらすみません。
返信する
入道雲 様 (by 堂前)
2010-07-23 22:13:40
入道雲 様

長い日記をお読み頂き、ありがとうございました。
奈良は大変な豪雨でビックリいたしました。

東大寺につきましては当時、色々あったのは事実です。
現在、唐招提寺貫主とお付き合いしている九谷作家が、その当時東大寺貫主と懇意にしていて、
私の作品を東大寺に持っていって下さった方に、自分が東大寺に詳しいからと付いて行き、
奈良に着く前に私の作品を車中で出させ、箱書きが間違っていると言い、
奈良に着くや有無を言わせず箱屋へ直行して、作法どおりに書いた箱書きを削ってしまったのです。
もちろん作品には私の印はあるし、陶歴なども入れてありました。

後日、持っていかれた方が謝りに来られ、貫主さんは事情を察知されたらしく、
箱の裏書に、ビッシリと私が製作した盌であること、
そして、「根あがりの松」と命名す、と書いて下さり、花押も書いて下さいました。
安宅の関に納めた盌にも同じように書いて下さいました。

そのようなことや、他にも色々ありまして何となく東大寺へは行かなかったのです。
今回、別の事情も重なって心あらたに参拝して参りました。
東大寺に買い上げていただいた白磁天目盌につきましては、これ以上ブログに書けませんので、
メールでお問い合わせ頂ければと思います。 
返信する

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