創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

「 錆 」 製造

2008年06月20日 | 日記

昨日19日、北陸地方は梅雨入り。
昨年より2日早く、と発表。

昨年はそんなにも遅くに梅雨入りだったのかと、不思議に感じてしまった。
ここしばらく大変良い天気に恵まれ、照りつける太陽がチリチリと肌に痛いくらいだったので、
このまま夏に突入、と期待もしていた。

しかし梅雨入りの発表と同時にそれまで乾燥していた大気が、急に湿気をおびてきた。
雨はさほどでも無いが、とにかく湿気が多い。 チョッと動くだけで衣類がまとわり着いてくる。

Photo_2

      青磁線文壷

        径・15、5cm
        高・33、3cm

畑に植えた夏野菜、キュウリも急に大きく成長し、
先日から数本ずつ採取し、一夜漬けやサラダを作って楽しんでいる。
このキュウリ、買った物とは全くの別もの。 「 いかにもキュウリ 」、の味、香りがする。
先ほども畑に行ったら、近所のオバちゃんが 「あんちゃん、花いらんかね」 と
数本分けてくださった。  この黄色い花の名前は分からないが、
我が家の枝ものと生けてみようと思い、マンゲツ を添えてみた。

我が家の庭には4種のモミジが植わっている。
直径2~3センチの可愛い葉をいっぱい茂らせたモミジ。
濃いムラサキ色をしたモミジ。 葉先の長いモミジ、そして大葉のマンゲツ。
それぞれのモミジの枝を合わせてみたものの、マンゲツ がピッタリと合った。

野菜収穫と同時に、それぞれの畑に植わっている花々を見るのも楽しみである。
畑は栄養が良いのか、色々な花がそこいらじゅうに美しさを競いあっている。

実家にもたくさんの テッポウユリ が咲いている。
持っていったら、と言われたが、アジサイを生けこんであったので次回採取することにした。

そして肝心の仕事、
青磁色を出すための 「 錆=さび 」 の在庫が少なくなってきた。
数日前から錆を作る調合をしているのです。
原料を正確に測り、しっかりと混合した後、焼き返す。
こうすることで純粋な 「 錆 」 が出来上がるのです。

この仕事を始めた頃、私の先生は 「 陶芸の釉薬 」「 陶磁器釉薬 」 という本でした。
直接教えてくださる先生もいなく、あさ早くから深夜までロクロに向かい技術を覚えること、
種々の釉薬試験を繰り返すことが毎日でした。
本に書いてある事をひたすらに信じ、そのとおりに調合し、何度も焼成実験を試みましたが
すべてが満足のいかない結果に終わったのです。
ならば自分で素(もと)の 「 錆 」 から作るしかないと考え、試行錯誤し今日に至っています。
こうして私独自の青磁が生まれました。

今調合している原料、満遍なくすり終わったら焼き返す作業を行います。
美しく、何処までも澄み通る青磁になればと願い、計りの目盛りとニラメッコしています。

コメント
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