オペラファンの仕事の合間に パート2

大好きなクラッシック音楽やフィギュアスケート、映画などを語ります。メインは荒川静香さんの美しさを語るブログ。

ミラノ・スカラ座の「椿姫」

2008年12月06日 12時16分17秒 | オペラ
歌劇「椿姫」(全曲)

アンジェラ・ゲオルギュー(ヴィオレッタ)ラモン・バルガス(アルフレード)

ロリン・マゼール指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団・合唱団

(演出)リリアーナ・カヴァーニ

2007年ミラノ・スカラ座にて収録

(DVD )ART HAUS MUSIKU 101 343 (輸入盤)

イタリアオペラの総本山と言うべきミラノ・スカラ座での歌劇「椿姫」の新演出の映像を収録したDVDが手に入りました。
演出はイタリアの女流映画監督のリリアーナ・カヴァーニである。カヴァーニの名前を聞いてピンと来る方はかなりの映画通かもしれません。1973年製作の「愛の嵐」の監督である。

映画「愛の嵐」
主演 ダーク・ボガード(マックス役)シャーロット・ランプリング(ルチア役・私の大好きな女優さんの一人である)
1957年冬のウィーン。かつてナチスの親衛隊だったマックスは、あるホテルのフロント係りとして働いているが、ある日、収容所時代のもてあそんだユダヤ人の少女だったルチアと再会する。ルチアは今、有名な指揮者の妻となっていたが、二人は再び愛の嵐に身をゆだねていく・・・
女流監督らしい、なめるような映像。秘密的な情念と倒錯的なエロチズムを描き、公開当時、たいへん話題になったことを憶えています。

そんな映画作品の映画監督が演出した「椿姫」である。それもスカラ座での公演である。さぞかし今、流行の奇抜で時代や舞台設定を読み替えた演出を予想していましたが第1幕の幕が開くとびっくり!現在、珍しくなってきた、作品を正面から受け止めた、正統的な舞台である。舞台装置も衣装も19世紀の設定である。当然、第1幕は豪華絢爛な舞台装置で、たっぷりと舞踏会の華やかさを味合うことが出来ました。「椿姫」はこうでなくてはと痛感しました。
私は「椿姫」の第1幕が大好きである。あの前奏曲が終わったあと、幕が開き華やか舞踏会に場面となる。社交界の華ヴィオレッタと青年アルフレード。最初、ふたりが視線を交わして時から、互いを意識し、運命の糸に結ばれていたと私は思っています。
ヴィオレッタは他の男性の間を社交辞令的に周っていくが、視線はアルフレードから離れない。やがて舞踏会の人たちが異様な雰囲気に気が付き、舞台はだんだんと緊張を増してくる。その雰囲気を和らげようと誰かが言います。「歌でも歌えよ」と。辞退するアルフレードだが・・・その瞬間、有名な「乾杯の歌」になだれ込みます。
私はこの場面が、このオペラの「命」と思っています。
カヴァニーニの演出は伝統的で古めかしい舞台のように見えるかもしれませんが、細やかな表情の付け方、動き方でヴィオレッタの情念や哀しさを見事に描ききったと思います。昔。映画監督のヴィスコンティは同じスカラ座でマリア・カラス主演で、このオペラを演出して今や伝説になっていますが、おそらくこのようでなかったかと想像しています。
ヴィオレッタ役は久し振りにゲオルギューである。最近、ネトレプコに押され気味?の感がありますが健在振りを発揮しています。またアルフレード役のバルガスがたいへんな美声を聞かせてくれて良かった!ネトレブコの相手役で有名なヴィラゾンの癖のある声と何と違うのだろうか!これからの活躍に期待である。

と言う事で、今回のDVDは久し振りにヴェルディのオペラを堪能する事ができました。しばらく病みつきになりそうです。(バッハのことは、もちろん忘れていません)

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2 コメント

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「椿姫」 (ハルくん)
2008-12-07 00:12:50
ダーク・ボガードは懐かしいですね。なんと言っても「ベニスに死す」の音楽家(マーラーをモデルにした)役が忘れられません。

ゲオルギューはまだまだ美しいですか?椿姫のヴィオレッタ役には、この人やストラータス、ネトレプコのように美人で無いとやはり格好がつきませんよね。
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ゲオルギュー (オペラファン)
2008-12-07 23:40:09
ヴィスコンティ監督作品の映画「ベニスに死す」は機会があれば記事にしたいと思います。

ゲオルギューは少しふけたかな?と思う部分があったのは確かですが、やはり美人です。第1幕の衣装のドレスの胸元に、どうしても眼がいって本当に困りました。

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