オペラファンの仕事の合間に パート2

大好きなクラッシック音楽やフィギュアスケート、映画などを語ります。メインは荒川静香さんの美しさを語るブログ。

武満徹「系図 ―若い人たちのための音楽詩」

2016年06月14日 16時27分53秒 | 私の名曲アルバム
この12日の日曜は私の誕生日だった。
とうとう節目の年齢まで、あと1年となってしまった。
いよいよカウントダウンが始まった!残り少なくなってきた砂時計の砂が、いっそう慌ただしく落ちだしたような気分である。
仕事面では、余計な事を考えず、前を、しっかりと見据えて、とにかく来年の6月12日まで全力で頑張りたい。
さて毎週日曜夜の私の細やかな楽しみであるNHK・Eテレ「クラッシック音楽館」でのNHK交響楽団の定期演奏会の放送。
12日は私が待ちに待った作品が放送された。
聴きたくて聴きたくてしかたがなかった作品。
今年没後20年の武満徹作曲の「系図 ―若い人たちのための音楽詩」である。
私自身、年齢を重ねていっての誕生日に、こういう作品を聴くと普通の気持ちになれない、本当に心に強く響くものがあります。
どうしても今は忘却の彼方になってしまった私の幼い日が、蘇ってきて、どうにもならなかった。
また私自身、この作品のテーマにある父、祖父、祖母はすでに他界してしまって、この世にいない。
それだけに、いろいろな感情が込み上げてきて、実際、聴いていて涙が流れてきて困った。
この作品は谷川俊太郎の詩集「はだか」から武満徹が6篇の詩を選んで作曲した作品。

第1曲 むかしむかし
第2曲 おじいちゃん
第3曲 おばあちゃん
第4曲 おとうさん
第5曲 おかあさん
第6曲 とおく

少女の語り手とオーケストラのための作品である。
作曲家自身、語り手は、12歳から15歳の少女が望ましいと語っている。
今回の語りは女優の山口まゆさん。2000年生まれの現在15歳。作品のイメージにピッタリでした。
マイクを使っての語りなので、実際に会場では、どう聴こえたのかよく分かりませんが、テレビでの放送では何も気になるところはなく、少女らしい自然で素晴らしい語りでした。
第1曲の「むかしむかし」で語りが始まると、その美しい日本語に、すっかり、この作品の世界に引き込まれてしまった。
また一言一言変わっていく山口まゆさんの表情も素晴らしかった。これはテレビではないと分からないでしょう。
この作品は1995年ニューヨーク・フィルハーモニックの創立150周年を記念して委嘱されレナード・スラットキン指揮ニューヨーク・フィルハーモニックによって世界初演された。
そして今回の指揮は、その世界初演の指揮者レナード・スラットキンである。初演の時の語りは英語だったとのことですが、今回、作曲者の没後20年、そして日本のオーケストラと日本語による語りでの演奏は指揮者自身、深く心の思うものがあったに違いありません。
私が初めて、この作品を聴いたのは調べてみると1997年のシャルル・デュトワ指揮NHK交響楽団による演奏の放送でした。
それまで、よく聴いていた武満徹の作品にないノルスタジックで、どこか心の中に懐かしさを感じ驚いたものでした。
この時の放送はビデオテープで録画していたのですが、数年前、DVDの普及でビデオテープを大量に処分した時、一緒に処分してしまい、あとで「しまった!」と思った時は後の祭りでした。
CDで購入したかったのですが、後手になってしまいCDを手にすることが出来ない状態で今に至ってしまった。
小澤征爾指揮サイトウキネンオーケストラの演奏のCDは手に入るのですが、残念ながら語りが英語。
せっかくの谷川俊太郎の詩。日本人なら日本語で聴きたいものである。
今回も、しっかりと録画。そして、2度と手放すまい。
武満徹はオペラを書きたいと思っていたらしい。
言葉を大切にした素晴らしい作品になっていたでしょう。
返す返す、その早い死が残念です。




1997年のNHK交響楽団の演奏の動画を見つけました。指揮はシャルル・デュトワ、語りは女優の遠野凪子さん。あの時も語り手は白いワンピース姿。
何か郷愁にかられる気持ちになります。




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