オペラファンの仕事の合間に パート2

大好きなクラッシック音楽やフィギュアスケート、映画などを語ります。メインは荒川静香さんの美しさを語るブログ。

五月(さつき)の風

2013年02月27日 22時33分44秒 | 名演奏家の思い出
今日、今月3日に亡くなった十二代目・市川團十郎の本葬があり、パソコンに残されていた辞世の句が公表されたそうだ。

「色は空 空は色との 時なき世へ」

新しい歌舞伎座の完成を楽しみにしながらも、何か自分自身の命が終わる予感があったのだろうか?

今となっては、今は亡き團十郎の心の中は、もう分からない。


ドイツの名指揮者ヴォルフガング・サヴァリッシュの訃報を聞いて四日経ちますが、私自身、まだ悲しみが続いている。動揺が続いている。

カール・ベームや朝比奈隆が亡くなった時は、これほどではなかった。何故だろう?

一昨日、R・シュトラウスの歌曲「万霊節」の詩を掲載しました。

なぜ、サヴァリッシュが亡くなった時、この歌曲に心を動かされたのか、コメントしていませんでした。

「・・・そしてまた愛を語り合おう かつての五月のように」

「・・・そして美しい眼でじっと見つめておくれ かつての五月のように」

「・・・私の胸においで、そしてまた抱きしめたい かつての五月のように」

五月!

私が東京で大学生時代を送っていた時、サヴァリッシュは必ず四月末から五月にかけて来日してNHK交響楽団の指揮台に立ちました。

つつじの花が咲き、五月(さつき)の心地よい風を感じている頃、必ず、やって来て私に音楽の神髄を教えてくれました。

東京での四年間、ずっと、そうでした。

サヴァリッシュは、私にとって五月(さつき)の心地よい風のような方でした。

もうすぐ春。そして五月が、また、やって来ます。

しかし、あの方は、もう、やって来ない。

あの方は、もう、この世にいない・・・。