フィギュアスケートの四大陸選手権の放送を録画していますが、まだ見ていない。どうも見る気がしない。
やはりフジテレビの中継だったというのが原因であろう。あの実況アナウンサーや、何かとはしゃぎまわるコクブンの声を聞いただけで、何か嫌になる。かなりのフジテレビ嫌いに陥ってしまった。
今週、CSのJスポーツ4でノーカットで放送されるので、こちらを、じっくり見るつもり。
さて、昨晩は夜遅くまで四大陸選手権の録画は見ないで、オペラを見てしまった。この前の日曜日の深夜にNHK・BSで放送された昨年夏のヴェローナ野外オペラ・フェスティバル2012からヴェルディの歌劇「アイーダ」の公演の映像。
現在、世界のオペラの演出は読み替えが多く、そのほとんどは、私の作品のイメージから遠いものが多く、ゲッソリすることが、ほとんどですが、今回見たヴェローナでの「アイーダ」はオーソドックスな演出で、安心して見ることが出来ました。
有名な第2幕第2場の「凱旋の場」を見ていて「こうでなくっちゃ」と言いたくなる思いでした。
久し振りにに歌劇「アイーダ」全曲を聴いて、やはり、一番いいと思ったのは有名な「凱旋の場」ではなく、第3幕と第4幕である。大がかりな合唱やバレエもなく歌手たちのソロや2重唱などだけでドラマを盛り上げて行く音楽の強さを強く感じました。
オペラのクライマックスを、にぎやかな「凱旋の場」ではなくアイーダとラダメスの、この世に別れを告げる音楽で静かに終えるこのオペラ。
壮大な「凱旋の場」の劇的効果も、このオペラの持つ愛の葛藤と悲劇としての効果を高めてくヴェルディによる考え尽くされたオペラと言えるでしょう。
さて歌劇「アイーダ」は、私が高校生の時、全曲レコードを手にした数少ないオペラである。そして、それこそ、とことん聴き込んだオペラである。正に隅から隅まで知り尽くしている感が強い。
初めて手にしたのはリッカルド・ムーティ指揮ニュー・フィルハーモニア管弦楽団による1974年録音のEMI盤。モンセラ・カバリエ、フィオレンツァ・コッソット、プラシド・ドミンゴ、ピエロ・カップッチルリ、ニコライ・ギャウロフという今、名前を並べただけでもため息の出るような素晴らしい歌手たちの顔ぶれ。
カバリエの美しいソプラノの声、コッソットの深いメゾソプラノの声。その声のコントラストの妙。
そしてこのレコードでバリトンのカップッチルリを知りました。
男声による低音の声の美しさを初めて、このレコードで知りました。カップッチルリによって、私はヴェルディのオペラでの真のバリトンの声の何たるかを、出番は少ないですが、この録音で教えてもらったと言えるでしょう。カップッチルリは1979年のカラヤン指揮ウィーンフィルの全曲盤でも登場していますが、声の美しさでは、このムーティ盤の上でしょう。
さて、これは余談ですが、1000札7枚(販売価格6980円だった)握りしめて、この全曲レコードを買いに、わが町の商店街にある日本楽器へ行ってみると、この全曲レコードはショーケースの中に収められていたので、お店の人の出してくれるように、お願いすると学生服姿の私を見て変な顔をされたことを今も忘れることが出来ません。そのくらいオペラの全曲レコードと言うものは当時、高校生のぶんざいでは身分不相応な高級品だったのでしょう。
さて歌劇「アイーダ」の全曲盤と言うとムーティ指揮のEMI盤が、どうしても今でも思い入れが強いのですが、同じムーティ指揮によるバイエルン国立歌劇場での1979年のライブ録音(ORFEO盤)も、気に入っています。
アンナ・トモア・シントウのアイーダ、プラシド・ドミンゴのラダメスもいいのですが、何と言っても当時、ドイツを代表するメゾソプラノだったブリキッテ・ファスベンダーのアムネリスの素晴らしさ!彼女の歌う歌劇「ドン・カルロ」のエボリも聴いてみたい。昔、エボリに扮している写真を見たことがあります。録音はあるのでしょうか?
その他ではクラウディオ・アバド指揮のミラノ・スカラ座による1972年のミュンヘンでのライブ録音(OPERA D'ORO盤)も演奏では最高でしょう。
イタリアオペラの総本山の歌劇場がドイツオペラの総本山の歌劇場に乗り込んでの公演のライブ録音。同年のミュンヘンオリンピックを記念しての公演だったらしい。
こちらもアーロヨ、ドミンゴ、コッソット、カップッチルリ、ギャウロフという最強の歌手メンバー。
ただ、条件の悪いライブのためか録音状態が、とろどころ今一つなのが残念。それでもスカラ座のオーケストラとコーラスの素晴らしさは十分に伝わってきます。
そしてコッソットの鬼気迫るアムネリス。コッソットの艶のあるメゾソプラノには本当にしびれます。
それにしてもムーティ指揮によるミラノ・スカラ座での録音がないのが無念。
もし実現していたら、さぞかし輝かしい演奏だったでしょう。
ムーティ指揮ニュー・フィルハーモニア管弦楽団、コヴェント・ガーデン王立歌劇場合唱団(1974年録音 EMI盤)
ムーティ指揮バイエルン国立歌劇場管弦楽団、合唱団(1979年ミュンヘンでのライブ録音 ORFEO盤)
アバド指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団、合唱団(1972年ミュンヘンでのライブ録音 OPERA D'ORO盤)
やはりフジテレビの中継だったというのが原因であろう。あの実況アナウンサーや、何かとはしゃぎまわるコクブンの声を聞いただけで、何か嫌になる。かなりのフジテレビ嫌いに陥ってしまった。
今週、CSのJスポーツ4でノーカットで放送されるので、こちらを、じっくり見るつもり。
さて、昨晩は夜遅くまで四大陸選手権の録画は見ないで、オペラを見てしまった。この前の日曜日の深夜にNHK・BSで放送された昨年夏のヴェローナ野外オペラ・フェスティバル2012からヴェルディの歌劇「アイーダ」の公演の映像。
現在、世界のオペラの演出は読み替えが多く、そのほとんどは、私の作品のイメージから遠いものが多く、ゲッソリすることが、ほとんどですが、今回見たヴェローナでの「アイーダ」はオーソドックスな演出で、安心して見ることが出来ました。
有名な第2幕第2場の「凱旋の場」を見ていて「こうでなくっちゃ」と言いたくなる思いでした。
久し振りにに歌劇「アイーダ」全曲を聴いて、やはり、一番いいと思ったのは有名な「凱旋の場」ではなく、第3幕と第4幕である。大がかりな合唱やバレエもなく歌手たちのソロや2重唱などだけでドラマを盛り上げて行く音楽の強さを強く感じました。
オペラのクライマックスを、にぎやかな「凱旋の場」ではなくアイーダとラダメスの、この世に別れを告げる音楽で静かに終えるこのオペラ。
壮大な「凱旋の場」の劇的効果も、このオペラの持つ愛の葛藤と悲劇としての効果を高めてくヴェルディによる考え尽くされたオペラと言えるでしょう。
さて歌劇「アイーダ」は、私が高校生の時、全曲レコードを手にした数少ないオペラである。そして、それこそ、とことん聴き込んだオペラである。正に隅から隅まで知り尽くしている感が強い。
初めて手にしたのはリッカルド・ムーティ指揮ニュー・フィルハーモニア管弦楽団による1974年録音のEMI盤。モンセラ・カバリエ、フィオレンツァ・コッソット、プラシド・ドミンゴ、ピエロ・カップッチルリ、ニコライ・ギャウロフという今、名前を並べただけでもため息の出るような素晴らしい歌手たちの顔ぶれ。
カバリエの美しいソプラノの声、コッソットの深いメゾソプラノの声。その声のコントラストの妙。
そしてこのレコードでバリトンのカップッチルリを知りました。
男声による低音の声の美しさを初めて、このレコードで知りました。カップッチルリによって、私はヴェルディのオペラでの真のバリトンの声の何たるかを、出番は少ないですが、この録音で教えてもらったと言えるでしょう。カップッチルリは1979年のカラヤン指揮ウィーンフィルの全曲盤でも登場していますが、声の美しさでは、このムーティ盤の上でしょう。
さて、これは余談ですが、1000札7枚(販売価格6980円だった)握りしめて、この全曲レコードを買いに、わが町の商店街にある日本楽器へ行ってみると、この全曲レコードはショーケースの中に収められていたので、お店の人の出してくれるように、お願いすると学生服姿の私を見て変な顔をされたことを今も忘れることが出来ません。そのくらいオペラの全曲レコードと言うものは当時、高校生のぶんざいでは身分不相応な高級品だったのでしょう。
さて歌劇「アイーダ」の全曲盤と言うとムーティ指揮のEMI盤が、どうしても今でも思い入れが強いのですが、同じムーティ指揮によるバイエルン国立歌劇場での1979年のライブ録音(ORFEO盤)も、気に入っています。
アンナ・トモア・シントウのアイーダ、プラシド・ドミンゴのラダメスもいいのですが、何と言っても当時、ドイツを代表するメゾソプラノだったブリキッテ・ファスベンダーのアムネリスの素晴らしさ!彼女の歌う歌劇「ドン・カルロ」のエボリも聴いてみたい。昔、エボリに扮している写真を見たことがあります。録音はあるのでしょうか?
その他ではクラウディオ・アバド指揮のミラノ・スカラ座による1972年のミュンヘンでのライブ録音(OPERA D'ORO盤)も演奏では最高でしょう。
イタリアオペラの総本山の歌劇場がドイツオペラの総本山の歌劇場に乗り込んでの公演のライブ録音。同年のミュンヘンオリンピックを記念しての公演だったらしい。
こちらもアーロヨ、ドミンゴ、コッソット、カップッチルリ、ギャウロフという最強の歌手メンバー。
ただ、条件の悪いライブのためか録音状態が、とろどころ今一つなのが残念。それでもスカラ座のオーケストラとコーラスの素晴らしさは十分に伝わってきます。
そしてコッソットの鬼気迫るアムネリス。コッソットの艶のあるメゾソプラノには本当にしびれます。
それにしてもムーティ指揮によるミラノ・スカラ座での録音がないのが無念。
もし実現していたら、さぞかし輝かしい演奏だったでしょう。
ムーティ指揮ニュー・フィルハーモニア管弦楽団、コヴェント・ガーデン王立歌劇場合唱団(1974年録音 EMI盤)
ムーティ指揮バイエルン国立歌劇場管弦楽団、合唱団(1979年ミュンヘンでのライブ録音 ORFEO盤)
アバド指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団、合唱団(1972年ミュンヘンでのライブ録音 OPERA D'ORO盤)