オペラファンの仕事の合間に パート2

大好きなクラッシック音楽やフィギュアスケート、映画などを語ります。メインは荒川静香さんの美しさを語るブログ。

R・シュトラウスとライナーそしてベーム

2008年06月27日 11時50分35秒 | オペラ
R・シュトラウスは交響詩「英雄の生涯」などオーケストラ作品の作曲家として印象の強い方が多いと思いますが、私にとってオペラと歌曲の人である。一番好きなオペラは「アラベラ」そして次が「エレクトラ」かな?
私がよくお邪魔しているeyes_1975さんのブログでも、この前「カプリッチョ」から「月の光の音楽」が取り上げられていましたが、ワーグナーのようにシュトラウスのオペラの聴き所を1枚のCDに収めたものが少ないのが本当に残念ですが、その中で私のお気に入りのCDを1枚、紹介します。
ミュージック・トリビアの世界


歌劇「エレクトラ」より3つの場面、①エレクトラのモノローグ「ひとりだ!たったひとりだ!」②エレクトラとオレストの再会の場面③フィナーレ
楽劇「サロメ」より①7枚のヴェールの踊り②フィナーレ「ああ!私に接吻させてくれなかったわね」
歌劇「ばらの騎士」よりワルツ

インゲ・ボルク(ソプラノ):エレクトラ、サロメ
フランシス・イーンド(ソプラノ):クリソテミス
パウル・シェフラー(バリトン):オレスト
フリッツ・ライナー指揮シカゴ交響楽団(1954年~1957年録音)
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私の所持しているCDには「ばらの騎士」のワルツが収録されていますが最近、再発売された物には無いようである。
ライナーとシカゴ響のコンビの絶頂期の録音。特に「エレクトラ」はゾッとするくらい凄みのある演奏。ボルクの歌もまさに体当たり的!当時のシカゴ響の物凄さ!これが全曲録音でないのが、非常に残念である。解説書を読むと、この録音の直前、演奏会形式で上演しライナーも全曲録音を望んだが受け入れられなかったとの事である。演奏会の熱気をそのまま録音に持ち込んだ感があります。
ライナーはシカゴ響とのコンビでコンサート指揮者のイメージが強いですがドレスデンで「影のない女」のドイツ初演やメトロポリタン歌劇場でも多くのオペラを上演しています。ライナーの指揮するワーグナーやシュトラウスのオペラ全曲の正規の録音がないのが残念で、もしあったら、この指揮者の評価はまた違っていたと思われます。

「エレクトラ」と「サロメ」は大編成のオケの作品。「ばらの騎士」を聴き慣れている耳には大変大胆な作品。しかし、台詞を大切にした、まぎれもないオペラである。
カール・ベームが死の直前に録音していたのが「エレクトラ」の全曲である。(ゲッツ・フリードリヒ演出による映像として発売されている)
この名指揮者が自分の生涯を終える間際に、なぜ「エレクトラ」を選んだか?大編成のオケの前にして、どんな思いでこの作品を指揮していたか?「エレクトラ」を聴くたびに思いを馳せます。またベームが戦後ウィーン国立歌劇場が再建され総監督になったシーズンのオープニングの時の指揮者にはライナーの名前があります。またベームのアメリカデビューはライナー時代のシカゴ響への客演である。二人のツーショット写真は見た事はありませんが何とも言えない因縁を感じさせます。