オペラファンの仕事の合間に パート2

大好きなクラッシック音楽やフィギュアスケート、映画などを語ります。メインは荒川静香さんの美しさを語るブログ。

ベルリーニ 歌劇「夢遊病の女」

2008年06月13日 12時02分44秒 | オペラ
ベルリーニ 歌劇「夢遊病の女」(全曲)
マリア・カラス(アミーナ)
アントニーノ・ヴォットー指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団・合唱団
(輸入盤)TESTAMENNT SBT1417

1957年8月イギリス・エジンバラ音楽祭でのミラノ・スカラ座公演のライブ録音

あまりわが国では、なじみの無いオペラなので簡単にあらすじを紹介します。
19世紀初めスイスの山村。水車小屋の娘アミーナと村の青年エルビーノの婚礼の日、村の領主ロドルフォ伯爵が村にやって来て夢遊病のアミーナが誤って伯爵の部屋に入った為、アミーナの純潔が疑われ、婚約も破棄されてしまう。やがて人々がアミーナが水車小屋の朽ちた橋を渡って来るのをみてアミーナの夢遊病の為の出来事であり、そして純潔が証明され最後はハッピーエンドとなる。

このオペラはベルカントオペラの傑作として19世紀多くの名歌手によって歌われてきましたが、やがて忘れられた状態になりましたが戦後、この作品の真価をわからしめさせたのは1955年スカラ座(バーンスタイン指揮、ヴィスコンティ演出)でのマリア・カラスの公演である。

久しぶりにカラスの素晴らしいお宝録音のCDが登場した。カラスのこのオペラの全曲録音では1955年のスタジオ録音が有名ですが今回は2年後のスカラ座のイギリス公演のライブ録音である。録音状態も当時のライブ録音としては最高だと思います。
まさにカラスの絶頂期の時の録音である。1955年といえば4月スカラ座での伝説的なドニゼッティの歌劇「アンナ・ボレーナ」の公演(録音状態は万全ではありませんが凄いライブ録音が残っています)と重なるものがあります。
第1幕が始まりしばらくすると大きな拍手が起きる。ここでカラスがステージに登場した事がわかる。しかし、このオペラのハイライトはやはりベルリーニ特有の哀愁の帯びた旋律そして一転して華麗なカバレッタの第二幕のアミーナの夢遊の場そしてフィナーレ「おお、花よ、こんなに早くしぼむとは~思いもよらぬ喜び」である。この場面の録音では最近デビュー直後のミレッラ・フレーニの録音のCDが手に入りみずみずしい声で大いに楽しんだばかりのですが、カラスの声は次元が違う。まるで別の世界のようである。スタジオ録音にはないライブならではのスリリングさもあり聴いていて釘付けにされる。まさにカラスの最高の声を聴く事が出来ます。
カラスといえば「トスカ」や「カルメン」のイメージが強いようですが私はベルリーニのオペラ(「ノルマ」「清教徒」「夢遊病の女」)が本当に他の追随を許さない最高のレパートリーだと思います。カラスの歌うベルリーニのオペラを聴かずしてカラスは語れないと言い切ってもいいでしょう。
今回発売されたライブ録音はまた一つ大きな財産が増えたような気持ちです。今後も大切に聴き込んで行くつもりです。