日本では「明治の元勲」として評価の高い初代韓国統監府統監伊藤博文も、現在社会の常識的な考え方でふり返れば、韓国に対して極めて差別的な韓国国権剥奪者であったと言わざるを得ない。それは、下記の司法権剥奪条約を含む、彼が関わったいくつかの条約や協約、および様々な制度変更から明らかである。「朝鮮独立運動の血史1」朴殷植著・姜徳相訳注(平凡社)には、200を超える韓国全土の府郡で独立運動がおこり、義兵としてこうした差別的政策に抵抗した人民は、200万をこえたとある。詳細が14ページにわたる一覧表で示されており、死亡人数の総計欄には7,509とある。以下は、同書から司法権剥奪に関わる部分を抜粋したものである。
---------------------------------
第12章 伊藤、軍・法両部を廃止する
伊藤は統監に就任すると、曾弥荒助を副統監とし、各部協判を次官と改称し、全員日本人を任命した。13道の事務官にも日本人を専置し、その俸給を増額した。また朝鮮人巡査250名を罷免し、かわりに日本人警官を充てた。
伊藤は太子太師の職を利用し、皇太子李垠を東京に連れてゆき、自分のかわりに曾弥を統監に推した。その後伊藤はふたたび来朝し、李完用らを招いて協議し、陸軍、司法両部を廃止した。侍衛歩兵1隊の残存部隊まで、日本軍司令部の指揮下に隷属させ、司法権は日本人の管理に帰した。統監は、法官を設立、任命し、朝鮮人民に日本の刑法を遵守させ、朝鮮の旧法律はことごとく廃止した。全国の裁判所の官吏にはすべて日本人を任命した。司法権引き渡しの条約は左記のとおりである。
第1条 韓国の司法及び監獄事務の完備したることを認むる時まで、韓国政府
は、司法及び監獄事務を日本政府に委託すること。
第2条 日本国政府は、一定の資格を有する日本人及び韓国人を、在韓国日
本裁判所及び監獄の官吏に任用すること。
第3条 在韓国日本裁判所は、協約又は法令に特別の規定あるものの外、韓
国臣民に対しては韓国法規を適用すること。
第4条 韓国地方官庁及び公吏は、各其の職務に応じ、司法及び監獄の事務
に付き、在韓国日本当該官庁の指揮命令を受け、又は其の補助を為
すこと。
第5条 日本国政府は、韓国の司法及び監獄に関する一切の経費を負担する
こと。
---------------------------------
第17章 非法な司法制度
朝鮮の司法制度は、大審院、控訴院、地方裁判所、区裁判所に分かれ、三審制を採用していた。全国を通じて、大審院1,控訴院3、地方裁判所8、区裁判所113を置いていた。併合後、日本は台湾で実施した制度を朝鮮でも実施し、大審院を高等法院に、控訴院を覆審法院に地方裁判所を地方法院と改称し、区裁判所を廃止し、その職務を地方法院と憲兵隊、警察署に移譲した。現在は高等法院1,覆審法院3、地方法院8、地方法院支庁55、出張所159ヵ所となっている。地方法院支庁は地方法院の事務を処理し、地方法院出張所は登記および公証事務を処理している。地方法院では、判事が1人で裁判を独行しているが、物価千円以上の民事および破産事件の訴訟と1年以上の懲役、禁錮などの刑事事件は、3人の判事が合議裁判を行っている。覆審法院は3人の判事、高等法院は5人の判事で組織し、合議裁判を行っている。朝鮮の旧制度では大審院は7人、控訴院は5人の判事で構成していたから、各2人を減員したことになる。地方法院での判事1人の単独裁判は、あきらかに違法の制度である。いわんやおしなべて法律知識の浅薄な憲兵や警察官が司法裁判を乱用したのであるから、人民に害毒を与えたこと、これより甚だしいものはないであろう。
裁判所の判事、検事局の検事は266人で、そのうち朝鮮人判事はわずか10人にすぎなかった。検事にいたっては、ただの1人もいなかった。書記と通訳生は、614人であったが、そのうち朝鮮人職員は約3分の1であった。朝鮮人判事の職務、権限は、被告が朝鮮人の場合に限定されていた。合議裁判では、つねに陪席に参与したにすぎなかった。
・・・以下略
http://www15.ocn.ne.jp/~hide20/ に投稿記事一覧表および一覧表とリンクさせた記事全文があります。一部漢数字をアラビア数字に換えたり、読点を省略または追加したりしています。また、ところどころに空行を挿入しています。旧字体は新字体に変えています。青字が書名や抜粋部分です。赤字は特に記憶したい部分です。「・・・」は段落全体の省略を「……」は、文の一部省略を示します。
---------------------------------
第12章 伊藤、軍・法両部を廃止する
伊藤は統監に就任すると、曾弥荒助を副統監とし、各部協判を次官と改称し、全員日本人を任命した。13道の事務官にも日本人を専置し、その俸給を増額した。また朝鮮人巡査250名を罷免し、かわりに日本人警官を充てた。
伊藤は太子太師の職を利用し、皇太子李垠を東京に連れてゆき、自分のかわりに曾弥を統監に推した。その後伊藤はふたたび来朝し、李完用らを招いて協議し、陸軍、司法両部を廃止した。侍衛歩兵1隊の残存部隊まで、日本軍司令部の指揮下に隷属させ、司法権は日本人の管理に帰した。統監は、法官を設立、任命し、朝鮮人民に日本の刑法を遵守させ、朝鮮の旧法律はことごとく廃止した。全国の裁判所の官吏にはすべて日本人を任命した。司法権引き渡しの条約は左記のとおりである。
第1条 韓国の司法及び監獄事務の完備したることを認むる時まで、韓国政府
は、司法及び監獄事務を日本政府に委託すること。
第2条 日本国政府は、一定の資格を有する日本人及び韓国人を、在韓国日
本裁判所及び監獄の官吏に任用すること。
第3条 在韓国日本裁判所は、協約又は法令に特別の規定あるものの外、韓
国臣民に対しては韓国法規を適用すること。
第4条 韓国地方官庁及び公吏は、各其の職務に応じ、司法及び監獄の事務
に付き、在韓国日本当該官庁の指揮命令を受け、又は其の補助を為
すこと。
第5条 日本国政府は、韓国の司法及び監獄に関する一切の経費を負担する
こと。
---------------------------------
第17章 非法な司法制度
朝鮮の司法制度は、大審院、控訴院、地方裁判所、区裁判所に分かれ、三審制を採用していた。全国を通じて、大審院1,控訴院3、地方裁判所8、区裁判所113を置いていた。併合後、日本は台湾で実施した制度を朝鮮でも実施し、大審院を高等法院に、控訴院を覆審法院に地方裁判所を地方法院と改称し、区裁判所を廃止し、その職務を地方法院と憲兵隊、警察署に移譲した。現在は高等法院1,覆審法院3、地方法院8、地方法院支庁55、出張所159ヵ所となっている。地方法院支庁は地方法院の事務を処理し、地方法院出張所は登記および公証事務を処理している。地方法院では、判事が1人で裁判を独行しているが、物価千円以上の民事および破産事件の訴訟と1年以上の懲役、禁錮などの刑事事件は、3人の判事が合議裁判を行っている。覆審法院は3人の判事、高等法院は5人の判事で組織し、合議裁判を行っている。朝鮮の旧制度では大審院は7人、控訴院は5人の判事で構成していたから、各2人を減員したことになる。地方法院での判事1人の単独裁判は、あきらかに違法の制度である。いわんやおしなべて法律知識の浅薄な憲兵や警察官が司法裁判を乱用したのであるから、人民に害毒を与えたこと、これより甚だしいものはないであろう。
裁判所の判事、検事局の検事は266人で、そのうち朝鮮人判事はわずか10人にすぎなかった。検事にいたっては、ただの1人もいなかった。書記と通訳生は、614人であったが、そのうち朝鮮人職員は約3分の1であった。朝鮮人判事の職務、権限は、被告が朝鮮人の場合に限定されていた。合議裁判では、つねに陪席に参与したにすぎなかった。
・・・以下略
http://www15.ocn.ne.jp/~hide20/ に投稿記事一覧表および一覧表とリンクさせた記事全文があります。一部漢数字をアラビア数字に換えたり、読点を省略または追加したりしています。また、ところどころに空行を挿入しています。旧字体は新字体に変えています。青字が書名や抜粋部分です。赤字は特に記憶したい部分です。「・・・」は段落全体の省略を「……」は、文の一部省略を示します。
失礼ながら、相互リンクしていただきたくて、コメントさせていただきました。
http://sirube-note.com/police/
もしよろしければ、こちらのページから相互リンク登録していただけましたら幸いです。
http://sirube-note.com/police/link/register/
今後ともよろしくお願い致します。
32j2GH07