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田口ランディ

ゾーンにて
クリエーター情報なし
文藝春秋

先月の冬休みに京都の本屋「恵文社一条寺店」で買った内田樹先生のエッセイに
田口ランディの本がおもしろいと書いてあったのが印象に残っていたので
この1カ月間、田口ランディの本を読み続けて今7冊目。
最初に読んだ小説がこの「ゾーンにて」だった。
たまたま近所の図書館にあった小説がこれだったので内容を知らずに手にとってみたら、
311原発事故後の福島を舞台とした話だった。
あれから早や4年。
事故直後しきりと報道されていた現場の光景が蘇る。
出来れば目をそむけたい壮絶な現実。
ページからすさまじい臭いを感じるような1冊だった。

テレビのニュースで巷のバレンタイン商戦を尻目に工房にこもって
バレンタイン用お菓子を作り、作業の合い間に材料のチョコレートを
ひとかけらつまみ食いして「おいしい~~」と1人でつぶやきながら
この奇跡のような現実は実は全くの幻想なのではないか、
とふいにシンと静まりかえった気分になる。
今この瞬間を生きることに必死だった時。
それも忘れる時が来るのだろうか。
あれから4年。
あれから20年。
あれから70年。

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