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暮らしの菓音vol.3 「演奏」



「かーえーるーのーうーたーがーーきーこーえーてーくーるーよー」
雑談でかえるの歌の話をしてたら、「それもカノンなんですよ」とピアノ演奏者さんがおっしゃった。
「カノンって音楽用語だと知っていて名付けたんだと思ってました」とも。
フォルテシモやピアニシモ、アンダンテくらいは何となく意味を知っているが
輪唱のことをカノンというのだとは知らなかった。
そもそも「お菓子と音楽」で菓音→カノンという発想の命名である。
パッヘルベルのカノンも、そういえばあの曲名もカノンだな~と後から思ったくらい。



昨年9月に行った第一回目の暮らしの菓音で演奏して頂いたご夫婦に三回目でも演奏をお願いした。
奥様がピアノ、旦那様がチェロ。澄んだピアノの音色に深いチェロの音が重なると美しい。



県外から転勤でこの地に越して来られた演奏者さんに菓音での演奏をお引き受け頂いたのも
有り得ないほどありがたいご縁だが、昨年の菓音で初めてお知り合いになって以後、
ピアノ奏者さんの主宰されるドルチェ倉庫での「ミュージックヨガ教室」に私は生徒として通い始めた。
教え上手、話上手で気さくなお人柄にこちらの心地も打ち解ける。
ストレス発散と運動不足の体をほぐすこと目的だったミュージックヨガ教室参加も、
回を重ねるにつれて「ピアノ伴奏で歌う」ことがおもしろくなり、
2週間に一度のその日が来るのを待ち遠しく思うようになった。

体の力を上手に活かして演奏することの大切さ。
一人で40分以上演奏し続けるには、がむしゃらに弾くだけでは後半まで持たずに息切れしてしまう。
普段意識していない内臓の力も無駄なく無理なく活用するということ。
腹式呼吸の仕方ひとつとっても「肋骨を広げ、横隔膜を下げる」ということを
体の中の構造、仕組みの図解から説明して下さるので分かりやすい。
中学生の頃音楽の授業で先生に言われたことがあった。「もっとお腹から声を出しなさい」。
でもどうすればお腹から声を出せるようになるのかは分からなかった。

 

姿勢ひとつ、呼吸ひとつとっても音は変わる。
それを認識する時、音楽を奏でるってすごいなぁと心底思う。



余談だが私は大昔、小学校の吹奏楽団でクラリネットを経験して以降は
中高とも吹奏楽部に入らなかったので、音楽と接するのは中学校の音楽の授業だけだった。
高校にいたっては、入学した近所の公立高校が一年生時から芸術選択科目として
「音楽 or 美術 or 書道」のいずれかを選択する、という方針の高校だったので
迷う余地もなく私は音楽ではなく美術を三年連続して選択した。
ちなみに「音楽・美術・書道」の三科目のうち、生徒に一番人気はダントツ「音楽」であった。
でも名物教師は美術の先生であった。賛否両論あったが私にとってはおもしろい先生だった。
思えば「どんな先生にあたるか」というのはバクチ的だが結構大きい要素かもしれない。
学校生活においても、その後の人生においても。ミュージックヨガ教室でも、いい先生に巡り合った。



午前の準備中は窓を全部閉め切っていたのだが、
チェロ演奏の旦那様のご提案でエアコンを使わず窓を開けることにした。
明るい光が降り注ぎ、風が軽やかに吹きぬけて気持ちがいい。
梅雨の真っただ中であったが真夏の一歩手前だったので、予想していたほどの蒸し暑さではなかった。

やはり一番の心配の種は、小さなお子さんが大声を出したり走り回ってぶつかって怪我したり、
ということなのだが、無事終わってみればそんな心配もどこ吹く風。
保護者の方をはじめとした周りのお客様のご協力に加え、保母さんのご経験をお持ちの
ドルチェ倉庫オーナー奥様のさりげなく上手な気配りのおかげさまでした。
それにしても、小さいお子さん自身も結構「場の空気を読む」のかもと思った。
お子様連れでご来場のお客様からも「普段は困るほど腕白だから大丈夫かな、と思ってたのですが
ドルチェ倉庫に入ってからは意外なほどおとなしくしてました」と後日お話頂いた。

「音楽を楽しむ」時間の流れとともに音の調べを味わい、音は空間に消える。
残るのはひとりひとりの胸の内の記憶。演奏に込められた思いとともに。
ほんの数日前に電話で演奏者さんと話をしてある事実を知り、
より一層菓音で演奏して下さったことへの感謝の気持ちが増した。
魅了される素晴らしい演奏をして頂き、本当にありがとうございました。

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