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果樹の花々

先月末のコトコト市から3週間が経つ。
いやー早かったー。月日の流れが早すぎて、庭畑の植物の成長が著しくてついていけない。
5月に入ってからは仙台での家族の葬儀の他にも、長野畑でルバーブ初収穫したり
新しい畑をお借りするお話したり、静岡手創り市スタッフさんと個人的にお会いしたり
ドルチェ倉庫でのバイオリン練習にお付き合いしたりベトナム人留学生さんと畑ランチしたり。
なんかいろいろあったし、お久しぶりや初めましてのたくさんの方々とお会いした。
大事な叔母がとうとうあの世へ旅立ってしまったな~という感慨にふける暇もなく
庭や畑では毎日のように緑色濃くすくすくぐんぐん果樹や野菜が枝葉を伸ばし
あでやかな花は香り甘酸っぱい実がみのっている。この時期の植物の成長は留まるスキが無い。
昨年9月に入院した叔母が長い入院生活を経て最後は治療せず穏やかに命をみとるホスピスで生を全うした。
私がいっちょまえのオトナになって、まがりなりにも子供の頃の夢だったお菓子作りを
自分の仕事に出来るようになるまでには親以外の何人かの年上の人達に大きな支援や助言をもらった。
とりわけ影響を受けたのは、私がハタチそこそこの時に居候させてもらっていた
長野の焼き菓子工房の主さんと、先日亡くなった仙台の叔母であった。
叔母は会計士だったので、「モノづくり以外の仕事は一切やりたくない」と
若者ならではのバカさ加減満載で豪語していたかつての私に
お菓子やジャムを作って販売すること、それに付随するお金の管理や確定申告の仕方など
仕事とする以上嫌でもやらねばならないことで疑問が生じた時に
いちいち仙台に長電話して質問を繰り返していた困ったちゃんの姪である私に、
懲りずに(懲りてたかも)「減価償却費の計算方法」など的確なアドバイスをくれた。
ずーっとジャムも定期購入してくれていたので、
先日叔母の葬儀に出席した時、参列していた叔母の友人である方々から
「静岡でジャム作りしている姪ごさんてあなたですね。いつも(叔母から)ジャムをもらってたんですよー」
と何人もの方から声をかけて頂いた。
私は高卒後にお菓子の専門学校に行くつもりだったのだけど、その進路を覆す決意をした時には
気分転換を兼ねてか、叔母と二人きりでの2泊3日京都旅行に連れていってくれた。
その時に訪れた場所が、全国のデパチカに入っている老舗和菓子店「叶匠壽庵」の総本家
滋賀県にある「寿長生の郷(すないのさと)」だった。
http://www.sunainosato.com/
「梅や柚子などを植え、農工一体の菓子づくりを目指す」寿長生の郷。
ふりかえって思えば、いわゆるパティシェに憧れながらも食にまつわることを勉強するうち
農薬などの汚染や食品廃棄や政治がからんだ農産物の輸出入問題など、さまざまな食の裏事情を知り
このまま憧れだけで食の仕事についていいのだろうか?という疑問が芽生えたあの若かりし頃。
紆余曲折を経て、あの時訪れた寿長生の郷のように
果樹を育てて畑仕事をしながら収穫出来た果実を加工して販売する。
という理想に向かって歩を進めている今現在。
人生に無駄なものは何一つないと言うけれど、私の場合無駄なものも山とある。
でも18歳の時叔母に連れてってもらったあの寿長生の郷のようなカタチを
「いつかあんな感じに出来たらいいな~」とイメージしながら
今という時を過ごしているのはあの時の旅のおかげ。
ついでに言うと、寿長生の郷で和食ランチした時に飲んだ日本酒がびっくりするほど美味しくて感激して
私の日本酒好きもここから始まった。18にして酒に開眼、はさておきまして。





今うちの庭で咲いているレモンの花とブラックベリーの花に指先で触れながら
天国からうちの庭を見下ろしている瞳を感じている。先に逝ったお菓子の師匠と再会してるかな~。

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