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上の赤い実がレッドカラントで下の黒紫の実がカシス(=ブラックカラント)。
葉っぱや樹形が似ているので、実がついてないとどちらの樹か分かりにくいけど、実がついてると一目瞭然。色だけじゃなく実の付き方も実のサイズも違うし、カシスは葉の香りでも区別がつく。レッドカラントは別名「ふさすぐり」の名の通り、ぶどうのような房状に実るけどどカシスは単体。果実のサイズはレッドカラントが小豆、カシスは大小あるけど概ね大豆くらいの大きさ。
レッドカラントは赤くて透明できれいだから、カシスは香りがいいからという理由だけで、収穫中は作業に没頭してまるで瞑想しているように時を忘れる。しかしその後持ち帰っていざジャムにしようと、所要時間と手間のコスト計算した途端嫌気さす。端的に言えばこれらをジャム加工して商品化しても手間がかかりすぎてあまり利益にならない。
なのに何故これらの果樹を栽培しジャム加工しているのか?
まずはカシスもレッドカラントもそして同じすぐり仲間のグースベリーも、真夏以外は冷涼で冬雪深いこの風土に合っているし、野生に近い性質だからか農薬や肥料を使わなくても育ちやすいから。他のお店でこれらの国産果実のジャム(輸入カシスのジャムはけっこう市販にもある)を製造販売しているところが少なく希少性が高いから。
ジャムに加工する手間だけで考えれば、実が大きいりんごなんかの方がよっぽどラクなんだけど、りんごをちゃんと収穫できるように育てるには、無農薬栽培は相当ハードルが高い。「奇跡のりんご」著者である青森県の木村秋則さんをはじめ、りんごの無農薬栽培に成功した方もひと昔前よりだいぶ増えたけど、実際この長野畑にりんごの苗を10本近く植えてみたら全て枯れた。りんごには標高が高すぎるせいもあるのだろう。この土地、この気候風土にマッチした植物は苛酷な環境でも生き抜く力が強い。レッドカラントもカシスもグースベリーも、枝のコシが強くてしなるので冬の豪雪でもポッキリ折れることが少ない。多い時は一晩でゆうに1m以上積雪する地域なので、ブルーベリーは雪で枝が折れることがけっこうある。
まぁそういう訳で諸々の条件にマッチした果樹だから栽培している、という理由も小さくないけど、面倒くさい手間かかるやってられない~とぶつくさ言いつつ毎年これらの果実を収穫してジャム加工しているのはただ単純に「果実がきれいだから」「いい香りがするから」という理由が大きい。
以前、ラジオで紹介されていた本、ジルボルトテイラー著「奇跡の脳」を読んだ時に、手間ばかりかかって採算とれないとかは左脳で考えることで、「色がきれい」とか「いい香り」とか、右脳で感じることこそが人生の喜びだと思った。右脳の喜び=やる価値。
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★杜屋のジャム・マーマレード現在庫状況★