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極卵

衝撃的な1冊だった。平飼い有精卵を主軸としたストーリー展開は、現実的に有り得ない話では全くなく背筋が凍る。
遺伝子組み換え鶏が世間にもたらす影響、遺伝子組み換え技術を使う科学者の思惑、無添加自然食品をとりまく人間の狂信、情報を捏造し消費者をあおり生産者を責めるマスコミ。
よく私はオットに「モラルの無いエンジニアほどタチの悪い存在はない」と面と向かって悪口を言うけど(オットは元エンジニア)科学者も同様。生物兵器はときに機械兵器をも凌ぐ。
自然卵とか無添加とか無農薬自然栽培とかに関わると、基本的に自然や生命に対する敬意と哲学が必要なので、どうしても宗教的な感じになってしまう部分があったりするけど、私はその妄信した宗教チックな雰囲気が苦手である。ただ私自身がまさに今、果樹の自然栽培を手掛け加工販売しているので自戒したい。
愛する子供のために高価な無添加食材を買い求める母親に鬼子母神の姿が重なる。養鶏業歴50年のベテラン源蔵じいさんが救いであり希望の存在。こういう家族でも恋人でもない第三者が近くで見守り支えてくれると、世の中自殺する人はもっと減るだろうな。ストーカーまがいの自称恋人とは真逆の存在。
先週初めて手にとった見知らぬ作家さん。何となくいつも通り図書館でミステリーコーナーをうろついてたら「感染」というタイトルの本が目にとまり、まずこれを読んでみたらおもしろかったので今回の「極卵」が2冊目。仙川環さんの全作制覇したくなる予感。

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