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カシスの奴隷




「小麦は人間を奴隷化した」という説がある。
人間が労働し畑を耕し小麦の種を植え育て種を採取することを長年繰り返し、徐々に栽培地域を拡大し世界中に小麦を広めた。小麦からしてみれば人間は種を増やして広めてくれた恩人、というより小麦の意のままの労働力を提供する奴隷。
今年も長野畑のカシスの収穫期となり、畑到着早々いそいそと真っ先に林立するカシス苗に埋もれるようにして果実を摘み採る。「じゃ俺はこっち側から採るから」とオットもカシスを摘もうとするので、「・・・このカシスは私の(というわけでは決してない)カシスなのに・・・カシスを摘むことが私の楽しみなのに・・・私の楽しみを奪う気かコイツ・・・」と口に出さないが目線で訴えたら感受性の強いオットは察したらしく、ああ・・・じゃ俺は別の収穫するから、、とカシスゾーンから離れていった。よし。
完熟した実の美しさは黒紫色のカシスよりも透明なルビー色のレッドカラントの方が格段に上なんだけど、カシスは英名ブラックカラントなのでどちらも同じスグリ系の植物で葉っぱも樹形もそっくりなのだけど、ついでに言えばグースベリーもおなじスグリなんだけど、レッドカラントよりグースベリーよりカシスの収穫がダントツに楽しいその理由は。カシスの香りが好きだから。
実はもちろん、葉っぱからも私の好きな芳香が漂いうっとりする。地べたに跪き実を摘みながらカシスの香りに全身包まれて陶然となる。香りって人それぞれ好みが分かれるけど私はこのカシスの香りが自家栽培果樹の中で一番好き。柚子より好き。
あまりにカシスの香りが好きすぎるので、いっそのことこの畑カシスだらけにしちゃおうかな~という野望を抱く。この畑をやり始めた当初に植えたカシスの苗もだいぶ分けつして混み入ってきたので、昨秋株分けして20か所に植えかえたらしっかり根付いて新芽が出てた。発根しているところを掘り上げて植えかえたので、挿し木よりもうまくいく率は高いのだろう。この新しく植えたカシスゾーンの苗が育ったらきっと近寄るだけでカシスのいい香りがするだろうな~と思うとわくわくする。カシスの奴隷になってもいいくらいカシスの樹が好き。


※現在の畑の状況や写真はオット担当のFacebookでご紹介しています。

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