秋の紅葉は、花の華やかさにも勝るものと思いますが、秋にこれほど満開になる花も
少ないのではと思うのが、「ヒメツルソバ」の花。
花は金平糖のお菓子の突起をさらに細かくしたようなまん丸の小花で、これがびっしり
地面一面に覆った様は見事としか言いようがありません。
茎は横に這うようにして広がり、なんと1株で直径50センチほど広がるというのですか
ら驚きです。
開花直後は濃いピンク色ですが、長い開花期間が終わるころには白っぽい色に変化して
いきます。
花も可愛いのですが、葉は秋が深まってくると赤く紅葉してやがて冬には枯れてしまい
ます。けれど春にはまた新芽を出して、一層陣取りに精をだしはじめます。
特にコンクリートの隙間が好みのようで、我が家はマンホールの蓋の隙間から這い出し
ました。その生命力に圧倒されます。
ほとんど、野生化したヒメツルソバですが、先日行った鎌倉の建長寺はこれがグランド
カバーとなって、一面ピンク色に地面が色づいていました。
半増坊の登り口に咲くヒメツルソバ
古都鎌倉にヒメツルソバの花が風情があるかと言うと、少し違和感があるものの、
その繁殖力にあっぱれと、この場所を譲るしかないかなとも思います。
川の護岸にもヒメツルソバは伸びる、伸びる。