小さな庭

デジタルな仕事について20数年、だからという訳でもありませんが、アナログな世界に惹かれます。

京都の旅 ~比叡山延暦寺~

2015-11-20 | 旅行

比叡山 延暦寺へ

天台宗の総本山である比叡山延暦寺は、最澄が開山してから1200年、日本仏教の母山とも言われています。
比叡山の大きな懐500万坪の寺域に約150もの堂塔が点在している大寺院群。

一度、時間をかけて比叡山延暦寺に行ってみたいと思っていました。
海抜848メートルの比叡山山頂までは、ケーブルカーで難なく運んでくれますが、そのあと、東塔・西塔・横川の
3塔の地域に分けられた寺域を見て回るのは、比叡山内を巡回しているシャトルバスを使うこともできます。
ただ、山中も歩いてみたいと思い、今回は東塔と西塔にしぼって歩いてみました。

行きは京都側から叡山電鉄、ケーブル、ロープウェイに乗り継ぎながら比叡山頂へ、
帰りはケーブル延暦寺駅から、滋賀県の坂本に下りるコースを選んでみました。
空気もひんやり、すでに紅葉は落ち葉が目立つほどで晩秋の気配を感じさせていました。


山はどんなに昔の修行僧に思いを馳せても、現在は気持ちのよいハイキングコース。
まず西塔方面に向かいます。

アップダウンを繰り返しながら、長い階段を下りた先に、人の気配も感じられないほど静かな浄土院に着きました。
ここは伝教大師(最澄)廟があることで有名なのですが、正面からは入ることができず、脇の小さな入口から入って
いいものなのか躊躇しながらも、あまりの庭園の素晴らしさに思わず足を踏み入れてしまいました。
深い山間に射し込んだ朝日が庭園の白い壁を照らしていました。

西塔の本堂にあたる釈迦堂が見えてきます。延暦寺に現存する建築中最古のものだそうです。
大きな御堂なのでしょうが、その大きさをあまり感じないのは、深い杉木立に囲まれているからでしょうか。


すでに落ち葉となった紅葉が敷き詰められていました。
西塔には、この釈迦堂を中心に椿堂やにない堂が近くに点在しています。

一方、東塔地域は明るく、広大に開け、大講堂や法華総寺院東塔の伽藍の屋根が青空にくっきり映えていました。


紅葉も盛りで、山は針葉樹も多いせいでしょうか。色づいた木はまるでスポットライトが当たっているようにもみえました。

国宝の根本中堂
比叡山延暦寺の総本堂で、伝教大師最澄が延暦寺を開いた場所でもあります。
堂の中には1200年間、一度も消えることなく輝き続けている最澄の灯した不滅の法灯と呼ばれている灯火が
あるということですが、この長い仏教の歴史をほとんどわかっていないことに、日本人としてもう少し勉強
しなければと、手を合わせながら、少し殊勝な気持ちにもなりました。

帰りは日本一長いケーブルカーで、車窓から眼下の琵琶湖を眺めながら、滋賀県大津市坂本に下りました。

日吉大社
ケーブル坂本駅の近くに、全国に3800余ある日吉神社・日枝神社の総本宮である日吉大社があり、
日暮も迫っていましたが寄ってみました。

鳥居は神仏習合の信仰を表す「合掌鳥居」と呼ばれている独特のかたちでした。

この大社の神様のお使いである「神猿(まさる)」は、楼門の軒下で屋根を支える木彫りの「棟持ち猿」として、
なんともかわいらい姿で頑張って支えていました。

また、「猿柿」というご神木もあり、つい私は「さるかに合戦」の柿を思い出してしまいましたが、
やっぱり猿は柿が好物なのかなとも思いました。

JR「比叡山坂本駅」から京都駅に向かう車窓から盆地の山に沈む陽を眺め、長い一日だったことに
やっと気がついたのでした。

コメント (5)
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