FXと暗号資産(Crypto)とゴールド(金)についての随想です。コメント欄は承認制になっています。
やまはFX・Crypto



米国株式関係の数値が怪しくなってきた。P&F(ポイントアンドフィギュア)で見ると、次のように多くの数値が下降方向を指している。

1 ブレーク信号発生中
ダウ・BKX(フィラデルフィア銀行株指数)・原油・ダウゴールドレシオ・GSR(金銀比)・10年国債
2 あとわずかでブレーク信号発生
S&P500・ナスダック・VIX(米株ボラティリティ指数)

特に、画像で掲げてあるBKX(銀行株指数)は、今年の2月以来の安値を更新しており、チャートでわかるように明確に下降に入ってきていることには特に注目したい。今回の危機が金融に発していることを考えると、膨大な資金供給のカンフル剤が切れてきたものと思われ、今後の金融機関の経営悪化がますます懸念される。危機の予兆となるGSRも着実に上昇しており、リスク懸念の強さを示している。

P&Fは、単に強いレジスタンスを可視化(最近の流行語では「見える化」^^)するものでありそれ以上のものではないが、これだけ多くの部分でブレークが発生することは一年に何度もない。来週は債券が買われすぎていることから、軽い戻しが入る可能性もあるが、それほど遠くないうちに、米国株式市場が大きく崩れるという先週からの予測の確度はますます高くなったと考えている。数週のうちに、ダウが9800ドルあたりを割り込むことはほぼ確実と言っていいのではないか。
 
為替もおそらくそれに連動してリスク回避モードのドル高・円高となるものと思う。軽い円買いで対処していきたいと思っている。金は、株が下げれば一時のダウンと急激な上昇といういつものパターンとなるだろう。



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今日のNY市場も、開くとすぐに債券買い、株売りとなった。掲げたチャートは10年債の10分足だが、ご覧のようにこの時間になっても金利低下は続いていて2.56%台に入ってきている。株価も大きく下落しており、ダウが今日の引け値で10200を割るようだと、P&Fでダブルボトムの下方ブレーク信号となり、そのまま今週から来週のうちに10000ドルの大台を大きく割り込むと予測される。なお、株金レシオはS&P500ゴールドレシオで一段と下降してきており、株安にもかかわらず金が底堅く推移することを予測させる。S&P500ゴールドレシオで1.0に復帰することはもうなさそうに見える。このあたりは週末に詳しく分析したい。
 
この中にあって一人動きに抵抗しているのがドル円である。今日も84円台に一時突入したようだがすぐに回復してきている。しかし、そろそろ買いの力も限界が見えてきたようだ。来週には、ダウの大台割れとともに84円以下が定位置になりそうな気配だ。この分では、クライマクスがあるとしてももうちょっと時間がかかり、80円割れあたりからが本番になる可能性も出てきたかもしれない。このあたりは今後のNY株価の動向によるので慎重に株価・国債利回りなどを観察していきたい。しかし、ドル円のサイクルとしてはここから上げる日柄となってきており、この点も注意して行く必要もある。為替は難しい相場だ。



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画像は、米国10年国債の今日の市場の10分足である。ストックチャートではこのようなものが見られるのがありがたい。さて、ご覧のように利回りがさらに下がってついに2.5%台に入ってきている。朝からがっつり債券買いだ。ドル円の下降はこれに連動したもので、リスク回避の円買い・債券買いという教科書通りの展開だ。

予想では株安からドル高になるかと思っていたが、為替もドル売りで反応しているようであり、今週も波乱含みの幕開けとなった。為替は予測しにくいが、こうなるとドル円の大きな下降もあり得る一週間だろう。クロス円も要注意ということになる。


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若林英四氏の久しぶりのテレビ出演があった。だいたい従来の予測であるが、ドル円、年内90円に戻ってから、来年から下げて2012年春に74円という感じだ。ユーロの高騰予測、米国債利回りのここからの一時的リバウンド予測など、なかなか面白いので是非ご覧いただきたい。自分の見方と異なる部分もあるが、それはそれ、参考にはなるはずだ。



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テクニカル分析には、ティックから始まって分足、時間足、日足、週足、月足、年足とそれぞれの時間帯ごとに異なった分析が可能となる。「足」というのは、ローソク足から来た日本語だろうが、時間帯分析は万国共通である。また、それぞれの時間帯ごとに得意不得意があり、長期分析は月足、短期分析は日足で行うのが普通だ。

ただ、ある現象には、ある時間帯がもっとも適しているということも当然あるだろう。株価指数などは非常に長周期で動くので月足以上の分析で見えてくることが多い。為替はやはり日足がわかりやすいように思う。このように現象とそれに適した時間周期があるということは、前から書いている気温とのアナロジーを考えると分かりやすい。

たとえば毎時・毎日の気温を測ってテクニカル分析をする場合、もっともいい結果が出せるのは何だろうか。言うまでもなく月足と時間足あたりである。月足では24ヶ月も見れば季節の12ヶ月サイクルを簡単に見いだすことができるだろうし、時間足では24時間サイクル(すなわち1日の気温変化=朝が低く昼が高い)を見いだすことが容易だ。それに対して、日足を100日ぐらい見ただけではたいした結果は得られないだろう。同じく、分足を10時間(600分)程度見てもよくわからないだけだ。

つまり、適切な足(時間帯)とそれに適した観察期間が重要なのだ。私がいつも使っているストックチャートは有料だと長期の月足が見られるのが大きい。月足は場合により長期的展望にはひじょうに役に立つと思っている。先のエントリーの米国債金利動向などはそのいい例ではないだろうか。



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ドル円の下落が軽く起きた先週であったがまだ「阿鼻叫喚」とは言えない状態だ。来週の様子を見たいが今のところ大きな動きがある気配はなさそうで、むしろドルインデクスの反騰からドル円の下げはあっても限定的に見える。前回のエントリーに書いたように、米国の株価が中期的に下げる気配を示しており、来週は下落開始前の乱高下になりそうだ。為替は特にドル円での方向性が難しくなっているようなのであまり決めつけたポジションはとらずに流れに合わせていく形で進めてみたい。ドルストレートでのドル買い(ユーロドル等の戻り売り)がとりあえずいいのではないだろうか。
 
さて、先週も順調に?下げていった各国の国債利回りであるが、代表的な米国10年債のチャートを月足でご覧いただきたい。現在2.6台に突入しているわけだが、長期的には、2008年末の底(恐らくはそれ以下)にむかって再度落ちていく状況とみる他はないだろう。エリオット波動のB波的な一時的逆行はあるだろうが、基本は下向きである。RSIは37.6とまだ下降余地は充分であり、MACDも今月になってデッドクロスとなっている。2000年以降のMACDを観察してみると、月足でのデッドクロス=下落が始まると数年のオーダーで下げているのがわかる。ここから数年間、おそらく2013年頃までは長期での金利低下は続くのではないだろうか。それは現在の景気悪化が、程度をひどくしながら、数年間に渡って継続するというこのブログの予測とも合致する。国債バブルと言われているが、実際のところはまだ始まったばかりというのが真実ではないか。最終的段階に至ってドル不安により、米国債が売られて急激な金利上昇に転じると考えているが、それまでにはまだしばらくの時日が必要だろう。





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画像のP&Fのように、ダウにダブルボトムの下方ブレークが出た。目標は9850ドル。(S&P500もナスダックも同時にブレーク)。
これが正しければ、かなり大きな下落となりそうだ。この幅の下落時には、まずは現金回帰が働いてドル高となる。金も普通は売られることが多いが、これはすぐに戻るので押し目買いの好機となる。しばし続いたドル安も一服して当面はドル高傾向で推移しそうだ。

問題はドル円・クロス円だ。やはりリスク回避の円高となりやすいが、ドル高もあるため、ドル円は下げ渋ると予想される。クライマックス的な動きがあるかどうか微妙なところだが、最低もう一押しはあると考えるので、そのあたりでショートは様子見モードに移行していきたい。



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大方の予想があたり、FOMCがきっかけで下向きの流れが出てきた。FRBの金融緩和策継続および若干の増強?の姿勢により、米国経済の先行きへの懸念が強まり、円高、そしてややドル高のムードだ。先のエントリーの第1案に近い動きだろうか。
 
このあとはそんなに遠くないところに底があり一旦の円安への動きとなると考えているので、その時期と底のレベルが問題となる。ここ一週間の内に80円から84円の間で当面の底を打つというのがこれまた大方の予想ではないか。前から書いているように、底は毎度のように「阿鼻叫喚」となると思われるので、急激な下落および急反発というパターンになるはずだ。とりあえず、ここから80円までの適宜のポイントには買いの指値をしてスタンバイしておく。戻り売りポジションは回転売買を主として反転に備えていきたい。




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さて、相変わらずのドル円の下げ、ユーロドルの続伸、金価格の上昇で、ドル安基調は変わらなかった。(「円高」ではないですね。クロス円はさほど動いていませんから。)底探りは相場では禁物とされているが、そこは素人の気楽さで、またまた考察してみる。
 
まず、今回のドルの動きの原因が今ひとつはっきりしていないが、米国政策当局の弱気発言がドル安のひとつの要因であることは言えるだろう。しかし、ファンダメンタル的にさらにどんどんとドル安になっていく地合でもなさそうであるし、ユーロドルのほうもテクニカル的にそろそろいったんの天井が近づいてきている感じもある。ということで、いろいろ考え合わせるに、今回のドル円の底は、円からの要因ではなく、ドルの方の都合によって決まっていくことは間違いないだろう。きっかけとしては、この流れではやはりFOMCが重要だろう。ということで、ドル円の底での動きを予測してみると

(1案)

ドル安の一段落でユーロドルが頭打ちになってドル高となり、クロス円が下がることで、円高模様が強くなり、ひっぱられて一気にドル円が暴落する。

(2案)

何かの要因で急激なドル安が進み、ドル円の下降から円高を誘発し、クロス円を巻き込んで暴落する。

のどちらかになるのではないか。FOMCで追加緩和策が出るかどうか、またそれに対する反応も読みにくいが、それをきっかけになんらかのクライマクス的動きがあって、そこにもしかすると円売りの日銀介入が絡んで底を形成するということを予測してみたい(介入ポイントとしては80円ジャストを予測)。いずれにせよ、底があれば、以上の理屈から、ドル円・クロス円とも急激に快復すると思うので、ロングは狙いたい。

短期トレードは来週もドル円の戻り売りで問題ないと思う。今週はかなり回転させたので前のロングの損切りを回復しつつあるが、そろそろ新たなロングの構えも準備しつつ(充分に引きつけてであるが)、当面は売りポジの回転でいくつもりだ。




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PIMCOのディレクターのポール・マカリー氏がPIMCOのサイトにおもしろい論説を書いている。そこで、画像のような図を示して、次のように述べている。

(以下引用)

任意の国について単純な命題から始めましょう。

家計部門の金融収支+
企業部門の金融収支+
政府部門の金融収支+
海外部門の金融収支=0

ここで複式簿記の登場です。それによれば、4つの部門のうちの1つが赤字ないし黒字を出すには、残りの3部門のうち1つ以上が逆の動きを示していなければなりません。もちろん、この命題は、何ひとつ因果関係を語っているわけではありません。また、出発点での世界の負債および資産の残高の構成や持続可能性について語っているわけでもありません。これは、あくまで資金フローに関する変えようのない数式です。

先進国の家計および企業部門は現在、3年前とは打って変わって、大幅な黒字を計上しています。逆に、先進国の政府部門は大幅な赤字です。一方、エマージング諸国は依然として先進国に対して大幅な黒字となっています。このグラフは、米国の状況を示したものです。

したがって、先進国の財政緊縮が景気循環の上で世界の総需要の重しとはならず、逆に浮揚する役割を果たすと主張するには、次の前提がなければならないはずです。(1)先進国の家計部門と企業部門が黒字を減らす。(2)エマージング諸国が先進国に対する黒字を減らす。

(中略)

(したがってむしろ)不換紙幣の国における足元の財政赤字は、忌むべきものではなく祝福すべきものです。リスク資産の冴えないパフォーマンスを呪っているとすれば、責めを負わせるべきは、不換紙幣の国の財政赤字に対する不安ではありません。むしろ、景気循環の中で財政赤字をどうにかしようとする緊縮派の不安を責めるべきなのです。

(以上引用終わり)

ちょっと長くなったが、要するに、米国(先進国)の政府部門の赤字は、民間部門の債権(財産)となり、また新興国の黒字の源泉ともなっているので、悪いものではない。緊縮財政など考えるのがむしろよくないことだ、という主張である。これは基軸通貨ドルが世界全体の通貨であるという立場に立っているから言えることであり、ちょうど日本が国内で財政赤字と民間の黒字が均衡しているから問題ないという某氏などの理屈と同じことを国際版で述べていると言える。

これに対しては賛否両論あるだろうが、私は前から書いているように、この政府赤字と民間黒字とを対比して考える立場には一理あると思っている。したがって日本についてはあまり心配していないし、実は米国についても、あまり心配はしていない。ただ、もしドルが基軸通貨でなくなれば話は別である。国内で閉じている日本の問題に対し、米国の国債は世界に開いているため、ドル不安が生じることとなるはずだ。

ということで、この後数年のうちに起きるだろうことは、やはり、ドルの基軸通貨としての位置が揺らぐとしたらどうなるという「不安心理」が市場をかき乱してドル安を招くという現象になると思っている。実際にはドル基軸体制は1世紀ぐらいをかけてゆっくりと衰退するだろうが、まだまだ10年のオーダーくらいでは変化しそうにもないので、その心理が収まればまたドルはもとに戻っていくだろう。




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