普段はあまりいわゆるFXブログのたぐいは見ないのだが、たまにはと思って週末にいろいろ読んでみた。ほとんどがアフィリエイトブログで中味はゼロとは言わないがほとんど意味のないものが多いのには驚く。ファンダメンタルについて書いてあるものもあるが、ドルストレートのドル安と、ドル円のドル安との微妙な関係を意識的に書き込んでいるものもほとんどなく、情報量の少なさにはため息が出る。この小さなブログもそれなりの意味があるかと、ややほっとする次第だ。
それはともかく、今回のドル円の下降については、諸ブログを見るに、いい押し目買いのチャンスと見るものが多く、100円程度までの下降と見る者が少ないという状況だ。それより下と見るものは見つからない。私自身は、既に書いたように、100円程度までの下げ、しかし、場合によってはそれをかなり下回ると考えている。
理由のひとつにダウの変調がある。ダウは既にP&Fでも完全に下向きになっているが、どこまで下げるかを過去の例から見てみると、この週足チャートに目が向いた。今回、まもなくMA50(50週平均線)を下回るところまで来ているが、この数年でMA50を下回った時はいずれも最低1000ドル、最高2000ドルの幅で下落している。したがって、その例にならうなら、今回もあと最低500ドルは下がり16000ドルを試すだろう。そこまで下げれば、だいたい100ドルで1円と見込むとあと5円、すなわち102円ということになる。
これはあくまで過去の例からの類推であるが、いずれにせよ、現在のドル円の下降は、ドル安で始まったが、すでに円高に移行しつつあり、リスクオフに駆動される相場になっている。今後の動きはダウ次第というところだ。注目していきたい。
いずれにせよこの10月にQEは止まる。欧州や日本の金融緩和は続くが、それはドルの直接供給ではない。もしそれらがドル転されて米国に向かうなら、ドル高要因である。リスクオフもドル高なら、無難に過ぎてもドル高。理屈では、ドルストレートペアではドル高以外の方向性は考えられない(一時の揺り戻しはあるにせよ)。ドル円もその流れで上昇してきたが、ダウが変調してリスクオフになれば、ドル円だけは逆方向を向くのはいつものことだ。ここからの10月相場は、基本、ドル高。ただし、ドル円のみは円高・ドル安という予測でいってみたい。
(補足)ダウについては、今日、春山氏が次のように書いているのを補足しておきたい。「ドイツが世界経済を無視して、財政規律を主張して、USの希望する経済対策に真っ向から異を唱えれば、1987年のブラックマンデーの再来が来るかもしれない。」
自分の見方では、ブラックマンデータイプではなくて、リーマンショックタイプのが来てもおかしくはないという気がしている。現状では「気」だけだが。笑
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金はこういう時すごく難しいんですよね。ご存じのように、ダウと連動してまず売られて、そこから急激にあげるわけなんですが、そのタイミングが難しいです。ドル高を予測しているので、私としては、金には基本、ベアです。
株価とドル円の相関が変調してる気がします。CME15045円で107ミドルに位置してるのは?
貿易赤字が恒常化しつつある状況で輸入筋が買ってるのでは。。
09年のGSRの記事など読み返しました
株のブログですが とてもCOOLです。
http://blog.livedoor.jp/genius2/
おっしゃるようにドル円に限っては何かの要因で円安方向に「ずれて」いますが、クロス円は正常に円高です。要因は実需かもしれませんが、何かおかしいと思います。
アルピーヌさん
いつもご教示ありがとうございます。この株ブログは素晴らしいですね。さっそくブックマークに入れました。為替についての判断も的確だと思われます。
春山さんの記事を拝見しましたが、11月のドイツというのはどういうことですか?11月になにか指標がでるのですか?それともドイツとは関係なく欧米で注目すべきなにかがあるのでしょうか?
この欧州・中国発の不況の米国への波及、ダウの変調が分岐点に達するだろう時期が11月だという話と理解しています。(だからあくまで適当であって10月末かもしれないし、12月初めかもしれません)。
のるかそるか、で、「のる」(乗り切る)なら、今まで通りの軽い調整、「そる」(失敗する)なら、暴落ということでしょう。前者の可能性が極めて高く、後者の可能性は低い。これも同感です。
本格的なリスクオフが始まったのかもしれません
FX付与スワップ対比(1日)
2014 10月最新 CME USD/JPY NET 112551ショート
100枚買い(100万ドル買い)で100円-300円
2007年後半は CME USD/JPY NET 170000ショート
100枚買い(100万ドル買い)で15000円-17000円
現在のスワップ水準から円売りドル買い(キャリー)の持続性は極めて疑問で、日米金融政策のベクトル違いを過大誤認している状況。
米金融引締めに対処したポジ取りの反射的初動としては許容されるものの、米金融当局の発言を契機にコレクションの嵐にさらされる恐れあり。先日もFRBからのドル高懸念、財務長官のドル高牽制が続き、明日にもオセアニアで大きなGAPを空けるのではないかと思う。
ひとたびコレクションに転じると・・・
CME 1万コントラクト当たり1円の値動きと私的に知悉しているので、現在のネットショートからすれば10円以上のダウンサイドリスクありと推量する。
これから金融引締め転換時の米中間選挙を控えて為替は政治モードへ突入。
日米金利差とか実需のドル買いとか何それって類。
ちなみに、2007年当時の上述スワップ状況から、
ドル円125円から80円割れをストラテジーしていたのは異端者扱いされてたエリオットのMさんだけでした。
参考に見させてもらってます
ここは円関係が多いので一言
年足で見ると確かに震災後に
転換の時期に入りましたね円、
当然ながら荒れる相場が予想されます
週足でのパターンで言うと
去年の豪や5月のユーロのパターンがあり
様々ですので30分足で判断しています
豪はいずれ1.1以上狙ってもおかしくないですね、これは金利差で言ってます
あとは円の金利ですね、どうなるかです
それでは
今年の高値が110.09なら安値更新で90円割れへ ?
今年の安値が100.75なら高値更新で120円突破か ?
さぁーどっち ? ? ?
円安相場しか経験したことのない人は、円高に大きく動く展開を想像するのは難しい。逆もまた同様に。
過去にはたった1日で5円、10円動いたり、たった3日間で25円もドルが暴落した大相場があった。これから半年、1年、25円はともかく、そんな大相場が起こる可能性は結構あると思っている。
人は、自分の知識と経験以上の想像には限界がある。
想像力、「予測力」を強化するために、知識と経験を磨く必要がある。
「記録的な小動き」や「歴史的大相場」が、どのような局面で、どのように展開したのか、「過去」に学ぶことで、「未来」を知る
某リポートより
原油が85ドルになるなどおかしなことです。とにかく注意ですね。
子育て親の・・さん
スワップ水準からの比較、興味深いですね。たしかにサブプライム前は、ドル円のスワップ派ブログがたくさんありました。^^;
rolandさん
多彩な観点からのコメントありがとうございます。動きそうですね。
取らぬ狸の・・さん
これもおもしろい視点ですね。政治と為替ですか。
ひろいものさん
探してみると、吉田恒氏の非公式サイトに公開されてますね。彼らしい長期的なファンダメンタル視野ですね。
http://www.hisashi-yoshida.com/?eid=225
彼も、今のVIX指数が、「のるかそるか」の段階になってきていることを指摘しています。(Twitter)
FXアカデミア学長 吉田恒 @yoshida_hisashi · 10月8日
中期円高開始後は5-22%のドル下落が過去の経験則ですから、年末までに最低105円、最大90円割れの計算になります。あくまで中期円高が始まっているならですが。#fx #kawase #yoshidahisashi
はじめまして、結構前から読ませてもらってます
ここで、石原さんを教えていただいて感謝してます
FXのブログはダメですね
有料でもクズばかりです
一時期、ロブブッカーすごかったですね。陳もすごかった
けど ダメですね
ここにたどり着いて、うれしいです
初心者の方、だまされませんように
ストップさえいれとけばOK
僕もドル高と思いますが、短期では売ったりするけど
まあー ストップさえいれとけば間違えてもショウガナイよね
結局はサブプライム グリーンスパンかな
ハイレバの方は気を付けて下さい。
日本はGPIFの剣を持ってますので要注意です
さて、ブラックマンデータイプはインフレ懸念
で金利差で起きたと言い訳していますが、
本当かどうかは不明ww
あと銀行員ブログの話を鵜呑みにすると、、
不味いかもです。
彼らのトップは全て知ってますのでね
それでは
増えてきました(笑)
108円でショートしてますが
余程皆さん下で買いたい(買い戻したい)んでしょうね。
www
>今年FXを始めた人は、ドル円が1ヶ月4~5円値幅で動くことを想像するのは難しい。
2002年の12月に、当時のオニール財務長官辞任の憶測から
1時間チョイで125middleから122割れまでフリーフォールした事がありました。
当然にワイドスプレッド化して100pips開いたので証拠金ベースでの値動きは5円弱。
2005年のクリスマスイブにも、ヤカラ業者のステップ狩りではなく、アラブ皇族の損切りとかでドル円にティック上4円急落のスパイクが発生した事も。
米通貨当局の擬似的な不協和も演出されつつ
不参加予定の米財務長官が飛び入り参加してドル高牽制したり基調転換のサインを発してますな
軌を一にするのか「13日英米の金融当局は両国で営業する大手金融機関が破綻した場合の対応を確認するため模擬演習を初実施する」とか
100円割れの号砲でしょう www
まとめてレスで済みません。多士済々で、コメント欄が久しぶりににぎわってうれしい限りです。このブログを読んでいる方はみな冷静なので、うまく活用していただければと思っています。^^
WSJのニュースには、他に「日米欧の大手銀、スワップ解約一時凍結で合意 巨大銀行が破綻しても金融システムに影響が及ばないようにするための新たな手続きで合意した」とか、なんか物騒なのが出てますね。