昨晩のNYからまたドル高が進んでいる。ドルインデクスも101.80まで上昇した。完全に100を上抜けたと言える。102となると、P&Fでの上方ブレークだけでなく、月足のMA200をMA50がゴールデンクロスすることを意味しており、チャートでみるようにこれはなんと2000年以来、16年ぶりのこととなる。2000年時には、レーガノミックスで、ドルインデクスは120近くまで上昇している。
ここで、ドルインデクスの長期の歴史をちょっと振り返っておこう。1980年代にドル高が進み、ドルインデクスは120に達したが、1985年のプラザ合意でドル安誘導が行われ、数年のうちに90までに落ち込んだ。その後米国の金利上昇にともなってドル高となり上記の2000年頃に至る。その後、徐々にドル安が進み、その大底(70)となったのがサブプライム・リーマンの時期である。準恐慌状態の中でドルは大きく上下したが、QEによって80前後に低位安定して2014年に至る。
ところがQEが2014年に停止するや、ドル高が急進し、1年で95まで上昇する。その後、利上げのペースが遅いまま今に至った。しかし、QEの停止だけで、80から95まで急上昇したドルインデクスであるから、ここで順調な利上げペースが始まれば、このチャートでわかるように、110、120と上昇する力は十分に秘めていると考えられる。ドル円で言うと、従来の相関関係からすると、ドルインデクス110でドル円は125円以上、ドルインデクス120で、ドル円は135円以上150円程度までに達する可能性がある。
ドルインデクスの月足チャート分析からすると、今後、ドル円も、5,6年後の135円以上の値に向けて上昇を開始した可能性がかなり出てきたと思う。FXが一般に広がった2000年以降、ドル円は135円を超えたことはないが、今までの常識で125円から130円あたりで上昇が止まることを前提としたトレードはおおいに危険である。短期では今後も円高期は十分にあるとは思うが、長期の視点を同時に持っておきたい。
当面のトレード方針としてはドル円は押し目で買うのみ。半値戻しは達成したので、次は6割戻しの115円半ばをめどとしたい。ここまで、上昇途中で買った分は適宜残しつつ、1円程度上げたら一部を節目で売っていくという形にしている。まだネットなどの記事では個人はショートが多いようなので、ここはロングで行けそうだ。ドルインデクスは日足・週足では上げ過ぎだが、それを気にしていてはいけない局面なのではないか。
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金(ゴ-ルド)についてはどのようにお考えですか?
ドル高の流れだと下落でしょうか?
まず対ドルでの価格ですが、もうしばらくはドル高により下落すると思いますが、どこかでインフレ懸念で反転上昇するでしょう。今回1000ドル割れはないと思っています。したがって、円安がありますので、円価格は横ばい程度で済むのでないでしょうか。
あと、追加です。米国金利が上昇してきて、FXでもスワップがかなりいい感じでもらえています。金利を生まないゴールドにとっては、これは不利に働きます。このあたりも合わせて、過去の事象を照らし合わせてみるのがいいと思われます。
リ-マンショックで絶滅した個人のスワップ派の復活でしょうかね。
とかと同一視されて 笑
FF金利5.5%から0金利への下落ベクトルと
0金利から高金利へと向かう上昇ベクトルとをミソクソにされて 笑
ほんとうに春先の逆になっているのがおかしいですね。注意してみていきたいです。
Unknownさん
ちょっと私の書き方が悪かったのですが、たしかに、2000年代以降の、いわゆる「スワップ派」(円安・ドル安トレード)とは違ったトレードになると思われます。ただ、スワップが増える傾向にある点は同じです。ゴールドにとってはマイナスであることは、いちさんの理解で問題ないと思っています。
ただ、ご指摘で思ったのですが、たしかに上昇ベクトルの場合は、表面的にもクロス円の動きが弱くなるはずで、そこが特に現実的には異なってきますね。留意しておきます。
中期と長期とがあると思います。中期は週足の変動までとして5円レベル、長期はダウの変調やトランプ政権への不信感などで10円レベルと考えていますが、あくまで「これはイメージです」の世界で、ちゃんとした理由があるものではありません。
当面は日足レベルの変動で1円前後で押し目を浅いストップで買うという姿勢です。ここまでそれで問題なかったので、おおきく下がるまでは継続していく体制です。
週末要因かもしれませんが要注意
感じます。
つまり、トランプを好感してるのではなく、リベラル派のパニック的な資産移動が起きてると考えております。
12月4日のイタリア国民投票も荒れそうですので
うまく波にのっていきたいなぁ。。
笑
感謝祭休暇で商いが薄いですからいろいろ気をつけます。
Jobimさん
私もおなじような観点です。単純にリスクオンというのではなく、トランプでアメリカが内向きになることを切っ掛けに、相場の逆転が起きるのではないかという恐れから、債券から株へ、円買いから円売りへと、大人のリバランスが起きていると思っています。
さとしさん
年明けからの相場はさらにダイナミックになりそうです。
ワクワクです。
なぜ年明けからダイナミックになるとお考えですか?
トランプ大統領の就任式が1月20日です。新年からはいよいよ政策が本格的に動き出します。よかれあしかれ、相場に強い影響を与えると思っています。下げになるか、上げになるか、初動を見極めていきたいですね。