FXと暗号資産(Crypto)とゴールド(金)についての随想です。コメント欄は承認制になっています。
やまはFX・Crypto



さて、ミシガン指標はほどほどであったが、その前にスイス中銀によるドル買いフラン売りの介入があった模様で、ドル買いが進んでいる。とはいえ、それほど強烈なものではないので、ユーロドルや金の下げもさほどではない。今日はあまり大きく動かずこのレベルで週を越えそうである。ともかく、月が変わってからの相場に期待したい。
 
先月からドル円の月サイクルが復活してきているようであり、月初めの満月にドル円が高く、月終わりの新月に低くなっている。来月は4日が満月でありそれにむかって上げていくという形が考えられる。11月相場はかなり大きく動くことは間違いないのであり、ここはレバレッジを上げて大きく益を伸ばしていく必要がある。努力してみたい。




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フラクタルのことを調べていると、べき乗分布というのがひとつのキーワードとして浮上してくる。これは少し前から言われているものらしく、参考文献も探してみるときわめて多く、社会科学でもブキャナンの研究などが有名である。まずは、この図をご覧いただきたい。これは、ある通貨ペアが、NY終値で、ある日と翌日とで何pips上下に動くかというのをたくさんの日で統計して、その日数(頻度)を縦軸、動いたpipsを横軸としたグラフとして見ていただきたい。

上側のグラフはそれが仮に「正規分布」だとしたもので、数十pips動く日が多く(レンジ的動き)、そこから徐々に頻度は下がり、数百pips動く日はそれより少なく、数千pipsとなると極めてその日数は少なくなる。標準偏差で言うと3σ(標準偏差の3倍)より外にはほとんど値はなくなる。

下側のグラフは、それがいわゆる「べき乗分布」だと考えたものだ。数十pips動くことが極端に多く、そこからはガクンと頻度が減る。ただ、そこからの減り方は緩慢になり、3σのずっと外側、たとえば数千pipsでも値がある程度ずっと存在している。つまり、超ロングテールであり、例外的事象の起きる確率が高い。つまり、流行の表現で言えばブラックスワンが発生しやすい。
 
ここまででおわかりと思うが、実際の為替の動きは、このべき乗分布に近いことが知られている(下の高安氏著書参照)。だから、急激なブレークアウトが発生したりして、例外的な値が継続していく。昨年の豪ドル円やポンド円の下落の様子を思い起こして欲しい。一日に数百pipsの下落がどんどん継続したのだ。標準偏差の考え方を元にしたテクニカルの指標のボリンジャーバンドで言うと、バンド内で反発するというのが、為替を正規分布的に捉えた見方であり、バンドからのブレークアウトで順バリするのが、べき乗分布的テクニカルの見方である。発案者のボリンジャー自身は、後者を薦めているのだが、それは実に、理論的にも正しいわけである。
 
為替の現象は、このように、ありきたりの現象と、そうでない現象とが対数的に大きく頻度が違っていること(真ん中が突出)、そして、珍しい現象が意外に高頻度で起きること、の二つの意味を持っていることから、トレードにおける枚数配分が非常に重要であることがわかる。つまり、ありきたりのふつうの相場では枚数を少なく、例外的相場では、対数的に多くの枚数を投下することではじめて利益が取れるものなのだ。このメリハリの付け方こそがトレードの正否を握っている。それは為替がべき乗分布することに起因していると考えられる。

べき乗分布には、その他、本質的にフラクタルな分布であることなど、いろいろなおもしろい性質があるが、詳しくは週末に再度掲載したい。基本的参考文献としては、次の二つをお勧めしておく。

経済物理学の発見 (光文社新書)
高安 秀樹
光文社

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歴史は「べき乗則」で動く――種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)
マーク・ブキャナン,Mark Buchanan
早川書房

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さて、このあとしばらくはまだ不安定ながら円安方向に動きそうである。前の円高の反動が続いているという観測である。

問題はドルであるが、これがむずかしい。現在のドルは、

1 新興国・資源国への買いの調達通貨(ドル安方向)
2 米国の財政懸念におけるドル不安(ドル安方向)
3 米国景気の持ち直しによる評価(ドル高方向)
4 米国利上げ懸念(ドル高方向)
5 株安等におけるリスク増加(ドル高方向)

などの要素があり、どちらにも動きやすい。ここ数日は5が出ていたが、そこまでは1と2が大きな要素だった。ここで一応リスク懸念は当面去ったと見ているので、そうなるとまた、1と2が支配する相場になるのではないか。ということで、しばしのドル安・円安を予想しておく。ユーロ安を予測する意見が大勢のようであるが、ユーロインデクスの日足はこのところかなり長くMA50を割ることがなく、今回もあと少しでMA50にタッチしそうなところで反発している。反発するとしばらくは上げになるようであり、半月程度はユーロドルの上昇を予測しておく。ポンドは円安といっしょに上昇すると考えているので、ポンド円は意外な上昇となるだろう。


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