Wilhelm-Wilhelm Mk2

B級SFからクラシック音楽まで何でもあり

困った客

2006-11-28 | Weblog
演奏会に行くとDQN客に出会うことがある。最近はそれなりに耐性がついてきたが、直近で座られると集中力をそがれて死にます。高いチケット代を払った演奏会では、「どうかまともな人だけが周りにいてくれますように」と本気で祈って会場入りするほど。色々な困った人たちがいるが、以下のように分類。

1)勘違いしたクラシックオタク:演奏会をぶち壊す「フライング・ブラボー」要員。見た目からして独特のオーラを発している。汚いスーツに白髪長髪が多い。演奏に合わせて指揮をしていたら要注意。
2)成金系のオバサン連:開演前から自分の知識を大声で廻りにひけらかす。その私語は演奏中も留まることなし。そして悲しいかなそれらの大半が間違っている。安い香水による化学攻撃も注意すべし。
3)買い物帰りのオバサン連:新聞屋かS学会あたりから流れたチケットで聴きにきたのか、およそクラシック音楽とは縁の無い人種。演奏中には私語だけでなく、コンビニ袋から飴玉を取り出し舐め始める。
4)子供:最終兵器。音楽に興味の無い彼らにとって、2時間座って無言で耐えるなぞ不可能に近い。足踏み手拍子、何でもござれ。同伴の親も高額のチケット代を払ったので子供とともに外に出るなぞ想像にも及ばない。演奏中に漢字ドリルに熱中し「できたよお父さん!」と叫んだDQN親子の隣に座って泣きました(某超有名ピアニスト(故人)の最終日本公演)。

本当のファンが手に入れられない希少チケットが彼らの手に渡るのは何とももったいない。

フルトヴェングラーのブラ3

2006-11-28 | Weblog
 一昨日中に書こうと思っていたら、久々にズキューンなピアニストのCDにぶち当たって、そちらを聞きまくってました。そのことは後で書くとして、フルトヴェングラーのブラ3で現在発売されているものは、EMI('49),DG('54),TAHRA('54)のライブ盤の3種。もうひとつ未発表のカイロでのライブ録音('54)があるらしい・・・。私が一番愛聴しているのが、DG(1954/4/27)のベルリンフィルとのライブ録音(写真は初期シリーズのジャケット。私も高校生のころにこれを買いました。画像はorooroさんのサイトから)。フルトヴェングラーはこの年の11/30(本日命日です。史上もっとも忌むべき日。)に亡くなっているので、最晩年の演奏ということになるが、どうして凄い盛り上がり。この頃のベートーヴェンの演奏はかなりテンポが落ちて枯淡の雰囲気なのに、何だ?このテンションは。特に1楽章のコーダ。アッパーでザクザク盛り上げてその先にパーっと森林から草原に抜けたような空間の広がりを見せるカタルシス感はまさにフルヴェン魂の燃焼飛翔。2、3楽章の哀愁あふれる木管メロディーは、歌というものはこういうものだと心を震わせられます。4楽章冒頭はフルヴェンならではの地を這うようなデモーニッシュな蠢き。そこからなだれのように憤然と主題を突き上げる。録音も技術の向上が著しい時なので非常にクリアで、ライブ独特の空間の奥行きが感じ取れる。ベルリンフィルもブラームス独特の螺旋のような音型を見事な音色と突進力でドライブしていく。考えたら翌年からあのカラヤン体制になるわけで、その中枢のメンバーはもう殆どこの段階で揃っていたわけだ。フルヴェンらしさ、充実したベルリンフィル、そして優れた録音の3拍子が揃ったこの録音は、フルトヴェングラー最晩年の至高の名盤といえるものである。