Wilhelm-Wilhelm Mk2

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フルトヴェングラーのブラ3

2006-11-28 | Weblog
 一昨日中に書こうと思っていたら、久々にズキューンなピアニストのCDにぶち当たって、そちらを聞きまくってました。そのことは後で書くとして、フルトヴェングラーのブラ3で現在発売されているものは、EMI('49),DG('54),TAHRA('54)のライブ盤の3種。もうひとつ未発表のカイロでのライブ録音('54)があるらしい・・・。私が一番愛聴しているのが、DG(1954/4/27)のベルリンフィルとのライブ録音(写真は初期シリーズのジャケット。私も高校生のころにこれを買いました。画像はorooroさんのサイトから)。フルトヴェングラーはこの年の11/30(本日命日です。史上もっとも忌むべき日。)に亡くなっているので、最晩年の演奏ということになるが、どうして凄い盛り上がり。この頃のベートーヴェンの演奏はかなりテンポが落ちて枯淡の雰囲気なのに、何だ?このテンションは。特に1楽章のコーダ。アッパーでザクザク盛り上げてその先にパーっと森林から草原に抜けたような空間の広がりを見せるカタルシス感はまさにフルヴェン魂の燃焼飛翔。2、3楽章の哀愁あふれる木管メロディーは、歌というものはこういうものだと心を震わせられます。4楽章冒頭はフルヴェンならではの地を這うようなデモーニッシュな蠢き。そこからなだれのように憤然と主題を突き上げる。録音も技術の向上が著しい時なので非常にクリアで、ライブ独特の空間の奥行きが感じ取れる。ベルリンフィルもブラームス独特の螺旋のような音型を見事な音色と突進力でドライブしていく。考えたら翌年からあのカラヤン体制になるわけで、その中枢のメンバーはもう殆どこの段階で揃っていたわけだ。フルヴェンらしさ、充実したベルリンフィル、そして優れた録音の3拍子が揃ったこの録音は、フルトヴェングラー最晩年の至高の名盤といえるものである。

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