Wilhelm-Wilhelm Mk2

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アシュケナージのラフマニノフ

2004-12-12 | Weblog
日本に帰ってきて、一応生活の基盤作りが一段落したので、押し入れをごそごそ漁って米国で聴きたかったCDを聴いてみる事にした。まずはラフマニノフのピアノ協奏曲の3番。実は帰国直前に、ロスフィルの演奏会でこの曲を聴いたのだが、もう酷い演奏で、ドナドナの子牛のようなテンポで小太りのオジさんが弾いていた。名前は忘れたがアメリカのどっかの大学の先生で、見た目にも年寄りで腹も出ており、この超難曲を鮮やかに弾いて魅せるような柄でない。実際、難所になるといきなりスローダウン。音色の変化も全く無し(強弱さえも!)。なのに弾き初めはもったいつけて指の運動をしたり、弾き終わりはバーンと手をあげたりし、最後には立ち上がって万歳したりと、もう私は失笑を通り越して怒りさえ沸き上がって来たものだ。しかし、当日の客は大喜びで全員がブラボーの合唱にスタンディングオベーション。アメリカ人の浅はかさを最後まで十分に見せてもらったってところだった。まあ盛り上がれば何でもいいのだろう。
そして今、アシュケナージの演奏を聴いている。うーん、さすがだ。前の書き込みで結構辛口に書いたが、いやさすが。このテンポ感ですよ!流麗さと熱気。実際アシュケナージの硬質な音質がこの曲にはマッチしているように思う。テクニックも問題なく聴こえる(といっても細部は私はわからないが)。またハイティンクの絶妙のあわせとコンセルトヘボウの絹のような響きが、更にピアノのヴィルトオーゾ性を顕著にしている。なんでアシュケナージは指揮なんかに走ってしまたのだろう?
そういえば、この曲を初めて全曲通して聴いたのは、チャイコフスキーコンクールでベレゾフスキーが弾いた時だった。確か本選の最後だったように記憶しているが、あの時の衝撃は結構今でも覚えてる。初めての曲を聴く時は、大体どんな演奏でも感動するものだが、コンクールという特別な状況での演奏ということで、ベレゾフスキーが汗だくで全身全霊で弾いていたのが今でも脳に焼き付いている。そして、感極まった客が最後のコーダのところで眼鏡を外して涙を拭うシーンも覚えている。今でも自分のなかではあれがこの曲のいベストの演奏だ。確かビデオに残してあったはずだ。いつか探してみてみよう。

2 コメント

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おっ (hiro)
2004-12-13 15:40:45
再開されてますね(笑)。私も再開を思案中です。今後も楽しみにしていますね
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光栄です (wilhelm)
2004-12-13 23:26:05
hiro様。早速見ていただき光栄です。東京は相変わらず混雑してますね。blog是非再開してください。
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