Wilhelm-Wilhelm Mk2

B級SFからクラシック音楽まで何でもあり

空飛ぶスパゲッティーモンスター教

2019-09-24 | Weblog
空飛ぶスパゲッティーモンスター教(Flying Spaghetti Monsterism、FSM、パスタファリアン)というものを知る。ニュースで、信者のおじいさんが湯切り鍋を被って演説し最後に「ラーメン」と結ぶ(アーメンのパロディ)姿を見て爆笑した。しかし、この団体は決しておふざけなだけではなく、2005年にカンザス州においてインテリジェント・デザイン説(人間は神が創ったものだ)を教科書に盛り込もうとする動きへのアンチテーゼから生まれたのだ。の創始者たちは「私は空飛ぶスパゲッティーモンスターがこの世界を創ったと本気で信じている、だからこの説も教科書に採用してほしい」と裁判所に訴えたのである(却下はされたが)。この活動は、特定の宗教(キリスト教)のドグマの特別扱いを指摘すると同時に、無神論者の立ち位置の確立をも狙ってきている。西欧においては、無神論者は異教信者よりも卑下されるからだ。なお空飛ぶスパゲッティーモンスター教はパスタファリアンとも呼ばれる。これは当然ながら「ラスタファリアン」のパロディである。また、信者は湯切り鍋を被る場合もあるが、海賊のコスプレをする場合も多い。これは、空飛ぶスパゲッティーモンスター教では海賊の減少が世界の気候変動の要因としているからである。もちろん宗教における非科学性のパロディである。

アラスカでの演説。最後にRamenと結ぶ


空飛ぶスパゲッティーモンスター教(パスタファリアン)を紹介する若者


オーストリアで活動する空飛ぶスパゲッティーモンスター
Pastafarianism | Video of the day


公道でキリスト教を布教する人に、演説で対決する空飛ぶスパゲッティーモンスター教信者


オハイオ州立大学で布教する女性信者。きちんと対応する大学生たちに日本との違いを強く感じる。
FSM Evangelism



パロディを真面目に社会運動化できるところに、アメリカの奥深さと力の源泉を感じる。道端で演説したり大学でビラを配ったりする人に、きちんと対応し意見をぶつける。日本では見て見ぬふりをするか、影で嘲笑するかだろう。先日鑑賞したニューヨーク図書館の映画でもこのことを強く感じた。誰もが自己の意見を持ちそれを表明できる社会。民族性なのか?

私が知らなかっただけで、空飛ぶスパゲッティーモンスターはグローバルに有名な団体のようだ。ORE教の創始者としては「やられた」感が強い。ぜひ共闘したい。

Ramen

コメントを投稿