Wilhelm-Wilhelm Mk2

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トロン

2012-11-05 | Weblog
トロンと続編トロン・レガシーを観た。トロン(TRON)は1982年の作品。電子基板のような服の登場人物に子供ながら惹かれたのだが、見ないまま30年経ってしまった。28年ぶりの続編レガシーもなかなか面白そうだったので、これを機会に両作品を鑑賞することにした。感想をダイレクトに言うと、トロンは傑作、レガシーは駄作。レガシーはどこかで見たシーンが連続する陳腐なSFアクション映画でしかない。はぐれプログラムが違法酒場をやるなんて、マトリックスのパクリだろう。創造主とそのコピープログラムの対決もありきたり。なにより肝心のトロンがフルフェイスヘルメットに包まれたままで、最後まで顔を出さないのが致命的。トロンは本作の題名だし、前作のトロンがそのまま継続して存在している設定なのだから、CGを駆使して若い姿を見せてほしかった。原作トロンはCG技術は未熟だが、カクカクしたポリゴンの世界がモダンアートのようで独特の美意識空間を作り上げている。ストーリーもなかなかで、主人公フリンとトロンとヒロイン(名前失念)の微妙な3角関係が見どころ。小道具デザインも秀逸で、社長室にあるタッチパネル式キーボードとスクリーンがインプラントされた鏡面仕上げの重役机がかっこいい。シドミードがデザイナーとして参加していたそうだ。さすがである。ハンドルから展開するバイク(ライトサイクル)や、電磁ボールのスカッシュなど斬新なアイデアが盛りだくさん。サイバーパンク黎明期の古き良き時代の名作。TRON殿堂入り。

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