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博士剥奪ーセルカン事件の結末

2010-03-05 | Weblog
 東大の公式発表がありましたね。博士学位の授与取り消しだそうです。東大始まって以来初めてのこととか。解雇かと思っていたけど、博士剥奪とは東大も思い切った決断をしました。博士が認定されないのですから、博士が条件で得た職も自動的に解雇って流れですかね。セルカンを指導した教授や学位審査会について責任論は書いてありませんでしたが、「研究指導や学位審査の過程についてあらためて検証することにより、原因の究明と再発防止策の策定を急ぐ所存であります。」と言っているので後で何かあるのでしょうか。

 セルカンはこれで完全にアウトとなりましたが、今回の件はこの研究分野の氷山の一角なんだろうなと思います。程度の差はあれ、文献検索してまとめた程度の学位論文が結構あるのではないでしょうか?多くのちゃんとした理系博士課程の学生は、ノイローゼぎりぎりになりながらも、何とか発見・発明しようと徹夜してもがいているわけで、セルカンのようにコピペで学位が取れて(おまけに教官になれて!)、それが簡単に見逃されているような分野なんてのは、そもそもが学問でも科学でも何でもないわけです。セルカンの所属している研究室の学位論文リストを眺めましたが、私はまったくの門外漢ではありますが、これって研究なの?と思わせるような題名があったりします。大学の研究というよりハウスメーカーの営業がやるような内容じゃないですか?とも思ったりします。まあ中身を読んでいないのにで一方的な酷い発言ではありますが、セルカン事件のおかげで当分この分野は多方面からチェックされると思いますよ。
 建築学というのは工学から芸術までの総合分野だとは思いますが、有名な建築家の発言ではないですが「建築はあくまでブツである」という原則を大学の建築学科は飛び越え過ぎなんではないですかね。なんでも学問名つけて、お仲間で研究会立ち上げて、内輪で査読しあってペーパーにすればそれでアカデミックやってるなんて思ってはいやしませんかね。そうして東大のネームバリューに寄ってくる世間の工務店や建築家をはべらせて賞をもらったり、逆に賞を与えたりして、でかい顔してふんぞり返っていやしませんかね?

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