都響による現代音楽演奏会をサントリーで聴いてきた。指揮は若杉弘。若杉指揮による1月の現代音楽定期は、20年にもわたる伝統とのこと。今回の演目は、ブーレーズ、三善晃、デュティユー。現代音楽は苦手なのだが、興味だけはある。しかし現代音楽を、1時間以上通して聴くのは忍耐が必要。特に家の中では不可能に近い。そこで、逃げ場のない演奏会場に身を置き、強引に自分に聴かせようじゃないかという克己心からチケットを購入した。
1曲目はブーレーズのノタシオン。現代音楽全開だが、席が指揮者と対面だったので、拍子や楽器への指示がよく見えた。そのお陰で、鑑賞を放棄することなく曲についていくことができた。現代音楽を聴くときは、指揮者に注目すると楽しいかもしれない。多種多様な打楽器が用いられており、それらを観察するのも面白かった。
次に三善晃から2曲。1つはヴァイオリンとオケによる「アン・パサン」。NY在住の奏者、渡辺玲子女史による演奏。巧い。初めて聴いたが、卓越した技巧、豊かな音量、感銘を受ける。演奏に確固たる自信がみなぎっており、曲を完全に手中に収めている感をうけた。デビュー録音が、シノーポリの伴奏によるベルクの協奏曲らしいので、現代音楽は得意なのかもしれない。今度は是非ソロで聴いてみたい。2曲目は児童合唱とオケのための「響紋」。NHK児童合唱団が「かごめかごめ」を歌い、それをオケが破壊したり、より寄ったりと不可思議な伴奏する。曲の面白さも印象に残ったが、児童合唱の美しさに心惹かれた。児童合唱を聴くなんて小学生の合唱コンクール(校内)以来だ。演奏後、聴きにきていた三善氏が紹介された。立ち上がって手を振ったりと元気そうだったが、休憩時間に車椅子で会場を後にする姿をみたので、足腰が弱ってるのかもしれない。間近でみた作曲家は、眼光が非常に鋭かった。
後半のデュティユーの交響曲は前半に比べると、まるで古典の交響曲かのように聞きやすかった。4楽章構成で、1楽章はバスのソリピッツから始まるパッサカリア。2楽章は弦楽器の刻みで推進する高速スケルツオ。ところどころ、フランスのエスプリ感が感じられ、演奏してみたいな、と思わせる曲だった(まあ実現しないだろうが)。デュティユはピアノ作品も良いときいたので、現在ソナタを注文中。
若杉弘がスコアを(唾をつけては)めくりめくり、明確な拍子を出している姿をみていると、不思議な感動を覚えた。世には、拍手のもらいやすい曲ばかりしか振らない(振れない)指揮者が多いなか、こういった演奏会を20年も続けていることは素晴らしいことだと思う。会場に客は6~7割程度は入っていたか。名曲プロの時と違い、心得た客ばかりで心地よく鑑賞できた。現代ものでも客を集められるところに、近年の都響の充実さを感じる。春にはインバルが監督に就任するし、今年の演目は興味深いものが多い。都響通いは続きそうだ。
1曲目はブーレーズのノタシオン。現代音楽全開だが、席が指揮者と対面だったので、拍子や楽器への指示がよく見えた。そのお陰で、鑑賞を放棄することなく曲についていくことができた。現代音楽を聴くときは、指揮者に注目すると楽しいかもしれない。多種多様な打楽器が用いられており、それらを観察するのも面白かった。
次に三善晃から2曲。1つはヴァイオリンとオケによる「アン・パサン」。NY在住の奏者、渡辺玲子女史による演奏。巧い。初めて聴いたが、卓越した技巧、豊かな音量、感銘を受ける。演奏に確固たる自信がみなぎっており、曲を完全に手中に収めている感をうけた。デビュー録音が、シノーポリの伴奏によるベルクの協奏曲らしいので、現代音楽は得意なのかもしれない。今度は是非ソロで聴いてみたい。2曲目は児童合唱とオケのための「響紋」。NHK児童合唱団が「かごめかごめ」を歌い、それをオケが破壊したり、より寄ったりと不可思議な伴奏する。曲の面白さも印象に残ったが、児童合唱の美しさに心惹かれた。児童合唱を聴くなんて小学生の合唱コンクール(校内)以来だ。演奏後、聴きにきていた三善氏が紹介された。立ち上がって手を振ったりと元気そうだったが、休憩時間に車椅子で会場を後にする姿をみたので、足腰が弱ってるのかもしれない。間近でみた作曲家は、眼光が非常に鋭かった。
後半のデュティユーの交響曲は前半に比べると、まるで古典の交響曲かのように聞きやすかった。4楽章構成で、1楽章はバスのソリピッツから始まるパッサカリア。2楽章は弦楽器の刻みで推進する高速スケルツオ。ところどころ、フランスのエスプリ感が感じられ、演奏してみたいな、と思わせる曲だった(まあ実現しないだろうが)。デュティユはピアノ作品も良いときいたので、現在ソナタを注文中。
若杉弘がスコアを(唾をつけては)めくりめくり、明確な拍子を出している姿をみていると、不思議な感動を覚えた。世には、拍手のもらいやすい曲ばかりしか振らない(振れない)指揮者が多いなか、こういった演奏会を20年も続けていることは素晴らしいことだと思う。会場に客は6~7割程度は入っていたか。名曲プロの時と違い、心得た客ばかりで心地よく鑑賞できた。現代ものでも客を集められるところに、近年の都響の充実さを感じる。春にはインバルが監督に就任するし、今年の演目は興味深いものが多い。都響通いは続きそうだ。