Wilhelm-Wilhelm Mk2

B級SFからクラシック音楽まで何でもあり

バイロイト偽装(1)

2007-12-26 | Weblog
今年は象徴する漢字に「偽」が選ばれるほど様々な偽装に涌いた年だったが、、フルヴェン業界にもとんでもない「偽装」疑惑が発覚した年だった。これまで「最高の第9」として神格化されていた、1951/7/29のバイロイトにおける第9ライブが、どうやらリハーサル録音を多用して製作された偽物であることが判明したのだ。これまで、バイロイト再開という歴史的意義に絡めたフルヴェン入魂のライブとして、数え切れないヴァージョンのCDが市販化されてきたが、その精神的支柱が折られる結果となったわけだ。どうして明るみに出たかというと、なんとバイエルン放送局が当日のライブ録音を保管していて、それをフルトヴェングラーセンター(日本協会からの分派)がCD化して会員向けに頒布してしまったことによる。あちこちのフルヴェンサイトはこの話で持ちきりであり、秒単位レベルで違いを検証したりしている恐るべきファンサイトもある。結論からして、EMIの録音とバイエルン放送局の録音は別物(同じ所も少しある)ということらしい。そして、先週ついにORFEOから市販品が発売された。フルヴェン歴20年の自分としても、未聴の第9は是非聴いてみたいところであるので、現在注文中である。(到着は2日後)。本サイトの年末を飾るお題として調度よいので、じわじわとバイロイト盤について思うところを書いてみようと思う。
ちなみに、私はバイロイト第9は、フルヴェンの演奏にしては凡演だと思い続けてきた。周囲のクラシックファンは大抵同意見なのだが・・・どうして、こうも神格化されてきたのか?その辺りのいきさつや、マーケティング、評論家のあり方なども書いてみたい。

精神崩壊曲カールマイヤー

2007-12-26 | Weblog
「暗い日曜日」に続き、精神崩壊曲「カールマイヤー」というのも聴きました。作者は不明ということで、ナチスがユダヤ人の精神崩壊のために創ったとか、その逆とか、ある曲の逆回転だとか色々な説が飛び交っています。(実は作曲者のHPがあります)「暗い日曜日」がきちんとした曲(かなり美しい)のに対し、カールマイヤーは奇声の集合という感じですか。全編にわたりマントラのような呪文をバックに女性のけらけら笑いと絶叫が入っています。こういうのに弱い人は冒頭から聞くに堪えないでしょう。中間部でちょっと女性の声のハーモニーらしいものがあるのですが、それが不協和音に崩壊した途端にデスメタルのような爆音が轟きわたります(これが吃驚する)。女性のような声が本当の声なのか、テープを早回ししてサンプリングした人工音なのかわかりませんが、息継ぎみたいなものを聴けるので、本当の生声なのかもしれません。高性能ヘッドホーンで大音量にして聴くと結構刺激的です。
聴きたい人はここで聴けます。