無意識日記
宇多田光 word:i_
 



『Flavor Of Life』がドラマ「花より男子2」のイメージ・ソング/挿入歌だった、という話をしたが、今度(いつなんだ)リリースされる『One Last Kiss』EPの謎のトラックNo.2もまた十中八九「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」の挿入歌or挿入曲だろう。元々EPの配信日が映画の公開日より一日遅かったのだ。そして未だにタイトルが明かされない曲がある。これが映画の中で使われるだろうことは、ほぼ間違いがない。

他の収録曲に関しては、つまり

『Beautiful World』
『Beautiful World -PLANiTb Acoustica Mix-』
『桜流し』
『Fly Me To The Moon (In Other Words) -2007 MIX-』

の4曲に関しては、ただEPに収録されているだけ、という可能性が結構ありそうだ。当然ながら『One Last Kiss』はエンディング・テーマとして映画のラストにスタッフ・ロールと共に流されるだろう、というのが妥当な読み。

なのだが、株式会社カラーがそんな素直な事をしてくるだろうか?と一度位は疑っておいてみてもいいかもしれない。こうやって映画公開前に『One Last Kiss』に関してはYouTubeで一部分だけとはいえ聴かせてくれているのだから、映画館に足を運ぶ人たちのうちのかなりの割合が『One Last Kiss』が映画の最後に流れるだろうつもりで鑑賞するだろう。視聴回数は……今夜の時点で720万回か。かなり行ってるな。で、そこを逆手にとって、これで終わりと思わせておいて実は……という流れで「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」が終わった後に「序破Q:||」全体のエピローグが用意されていて、そこで謎のトラックNo.2が流れる手筈……なんてことも、あるかもしれない。となると、そのトラックは例えば『Beautiful World』と『桜流し』と『One Last Kiss』をメドレーにしたものなんかが当て嵌りそうな気がする。

ただ、それをすると今度は『One Last Kiss』EPの、アーティスト宇多田ヒカルのニューミニアルバムとしての完成度に疑問符がつく。メドレータイプのトラックを収録するならEPの後半に置くだろう。新曲の次ってことはないんじゃあないだろうか。それだとEP8曲を続けて聴いた時の構成がイマイチなような……なので、『One Last Kiss』のリミックスだとかの方がまだわかるんだけど、それを挿入歌とかエピローグのテーマソングとかにするのも何か違う気がする。完全新曲だとすれば、前に触れた通り宇多田ヒカルサイド即ちレコード会社がEPをダブルAサイド・シングルCDとして売りに来ないのは機会損失だ。となると……さぁ、どうなっているやらね。やっぱりここは結局のところ映画の内容に左右されるポイントになっているんだろうね。まだ今出揃ってる情報だけでは、どの説も決定打に欠けている感じが強いわ。


前にこの日記で書いたのは、劇中で『桜流し』から『Beautiful World』が流れた後に最後に『One Last Kiss』とかいう感じだったかな。インターミッションに『Fly Me To The Moon』というアイデアも出したっけ。── 別に自分は予想を当てたい訳では無いのだ。予め色々考えていった方が当日楽しめるというだけの話。漫然とただ映画を眺めているよりも、何処でヒカルの歌声が流れてくるかに期待しながら観る方がきっと楽しいのでね。それすら忘れさせる位に夢中になれる面白さが映画を終始満たしてくれていたら、それがいちばんいいんだけどね。はてさて、どうなっていますことやらですわ。緊急事態宣言、早く全国津々浦々でクマなく解除されませんでしょーか。

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そうそう、『Flavor Of Life - Original Version - 』ってテレビで歌った事あるんだよねぇ。TBSの「COUNTDOWN TV」か。流れからするとこのあと「花より男子2」の第8話か9話でバラードバージョンではないこちらのオリジナルバージョンが劇中で流れた気がするんだが今検索しても記述が見当たらない。何の為に日記書いてるんだ貴様……っ!

『Flavor Of Life』のタイアップは奇妙な設定が幾つかあった。まず、その『Flavor Of Life - Ballad Version - 』という、CDシングルでいえば2曲目にあたる“カップリンク曲”が真っ先に注目を集めた点。これはタイアップ先のドラマ「花より男子2」の第1回放送の劇中でまずそのバラード・バージョンの方が流されたからだが、これ、未だに勘違いしている人多発らしいんだけど、こちらの『Flavor Of Life - Ballad Version - 』はドラマ「花より男子2」の“主題歌”ではない。イメージ・ソング/劇中挿入歌扱いなのだ。主題歌は嵐の「Love so sweet」の方。この関係性もまた奇妙だった。チャート上では発売日が1週間違いでそれぞれの楽曲が初登場1位を記録している。

その「チャート上では」という点も、14年前の2007年当時は奇妙だった。『Flavor Of Life』のCDシングルは同年2月28日にリリースされたのだが、その頃にはこの曲の熱狂は随分落ち着いていたのだ。というのも、最もこの曲が爆発的に注目を集めたのはドラマの第1回放送日である同年1月5日だったからである。

ただオンエアされただけではなく、同時に携帯電話の着信用に「着うた」としてリリースされたのだ。これがもうとんでもない数ダウンロードされて一時的にではあるがダウンロード数世界一の楽曲として認知される事になった。時期をずらして着うたの別バージョンもリリースされるなどして『Flavor Of Life - Ballad Version -』は1月2月の話題をかっさらった。それが落ち着いた頃に漸くCDシングルが発売されたのだ。「ダメ押し」という感じでしたね。

長い目で見直すと、ここらへんから、新曲のプロモーション・リズムが変わったのだ。それまでは、オフィシャルサイトでサンプル音源数十秒先行公開とかラジオで最速オンエアとか、そういった手段で新曲のプロモーションが開始されてCDシングルの発売日に繋げていた。この『Flavor Of Life』から、ドラマでいきなり流れて同じ日にもう(一部分だけであるとはいえ)音源が購入できるような早いテンポのプロモーションが展開されるようになったのだ。

例えば昨年の『Time』はドラマのエンディング・テーマとして徐々に歌の内容が詳らかになっていくプロセスを経てフルコーラスの音源をリリースする、という流れになっていた。このように、様々なバリエーションで音源公開していく手段を確保出来ているのが現行の方法論だろう。

確かに最近は、例えばラジオで曲が流れてきた時にサブスクで検索してすぐに曲が出てこなかったりしたらもうその時点でその曲については忘れてしまうような事が増えた。どこかの媒体で音に触れれた時に既に音源がリリースされていないと人々の気を引くチャンスを失ってしまう。良し悪しは別としてそんなのが日常になっていたりするのだが、そういうリズムの先鞭をつけたのが例えばこの14年前の『Flavor Of Life』だったりした気がする。多方面に対して大きな影響力を及ぼした宇多田ヒカル最大級の大ヒット曲のひとつと言えるだろうね。

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