トシの読書日記

読書備忘録

加納クレタの人生

2019-03-19 18:35:10 | ま行の作家



村上春樹「ねじまき鳥クロニクル」第一部「泥棒かささぎ編」読了



さて、いよいよというか、やっとというか、「ねじまき鳥」に手をつけました。全三巻のうちの第一部であります。こんな長い作品は、たしかデビュー以来初めてではないでしょうか。


相変わらず快調です。

<台所でスパゲティをゆででいるときに、電話がかかってきた。僕はFM放送にあわせてロッシーニの「泥棒かささぎ」の序曲を口笛で吹いていた。スパゲティをゆでるにはまずうってつけの音楽だった。>

どうですか、この書き出し。いきなり何かが始まる不穏な空気満載です。


僕こと「オカダ・トオル」は失業中の身で、毎日主夫のようなことをしているんですが、その周りでいろいろなことが巻き起こり始めます。妻のクミコ、近所に住む少女、笠原メイ、そしてクミコの兄、ワタヤ・ノボル、その知り合いという加納クレタと加納マルタの姉妹。それから本田伍長と間宮中尉。


これだけいろんなキャラクターが登場すれば面白くないわけがないですね。第一部は、まだまだほんの序章という感じで、表立った事件は起こりません。


第二部がめちゃ楽しめです。




先週、姉と恒例の「定例会」をやって以下の本を借りる


太宰治「斜陽」集英社文庫
谷崎潤一郎「マゾヒズム小説集」集英社文庫
リチャード・パワーズ著 柴田元幸訳「舞踏会へ向かう三人の農夫」(下)河出文庫
ナサニエル・ウェスト著 柴田元幸訳「いなごの日/クール・ミリオン」新潮文庫
スティーブ・エリクソン著 越川芳明訳「きみを夢みて」ちくま文庫

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