トシの読書日記

読書備忘録

男の哀愁

2008-11-17 09:18:12 | や行の作家
山口瞳「男性自身 おかしな話」読了


「山口瞳の会」会員としてはたまには読まないとねと思いまして。

やっぱりいいですねぇ。山口瞳はいいです。例えばこんなところ。

「私と関さんとがカラスミを中にして対座していた。こっちは宿酔である。一滴も飲めぬという心境である。それより、今日ここではじまったら、えらいことになるぞと思っていた。(中略)これは危険だ。関さんと目と目があう。笑ったら負けだ。しかし、遂に、私はこの重苦しいような空気に負けてしまった。私は駄目な男だ。『ウイスキイなんか・・・すこしぐらい、すこしずつ・・・ストレートで・・・飲むというのも・・・これは・・・どうだろうかな』」

この、やむにやまれぬという心持ちが、なんとも山口瞳的なんですねぇ(笑)

「もろともにあわれとおもえやまざくら」です(ってなんのこっちゃ)

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