最近、なんやかやとありまして更新が滞りがちになっております。画面の左にPVとかIPとかあるのが何を意味しているのかよくわからないんですが、もしこれがこのブログを見にきている人の数だとしたら、何人かの方が見ているわけで、まぁこんなブログを楽しみにしている物好きな方はいないと思いますが、とにかく申し訳なく思っております。
それはともかく…
小玉武編「山口瞳ベスト・エッセイ」読了
本書は平成31年にちくま文庫より発刊されたものです。
ちくま文庫からいろいろな作家の「ベスト・エッセイシリーズ」として出版されたものの一環のようです。
山口瞳、時々無性に読みたくなるのですが、本書は様々な出版物から(主に「男性自身」)選りすぐりのエッセイを集めた、文字通りのベスト版と言えると思います。
裏表紙の文言にもありますが、清水幾太郎の論説「核の選択」に対する山口の反論がすごかった。これほど婉曲な表現を使いながら、清水氏の論を真っ向からから否定するという、まさに文筆家の面目躍如たる文章でありました。
絶筆となった最後の「男性自身」に掲載された「仔象を連れて」、これもよかった。山口氏が師とあおぐ高橋義孝氏のエピソードを披露しているんですが、本当にしみじみとした味わいがあります。
昭和の作家、山口瞳。僻論家としても知られた人ではありましたが、どこかのエッセイで自身のことを「無頼にして市民」と表現しているのを読んで、得たりや応と膝を打ったものです。本当に素晴らしい作家、随筆家でありました。
またまた姉から以下の本を借りる
コリン・ウィルソン著 中村保男訳「宇宙ヴァンパイア―」新潮文庫
ジェイ・ルービン編「ペンギン・ブックスが選んだ日本の名短篇29」新潮社
今日はこれからちょっと雑用を片付けたあと、豊田市美術館へ「クリムト展」を見に行ってきます。クリムト、遂に来名!です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます