トシの読書日記

読書備忘録

奇想の物語

2017-10-10 18:41:31 | や行の作家



夢野久作「ドグラ・マグラ」(上)読了



本書は昭和51年に角川文庫より発刊されたものです。例によって諏訪哲史の「偏愛蔵書室」に紹介されていたものを選んでみました。


著者とタイトルだけは知っておりましたが、読むのは初めてでした。そしてまた、表紙の絵がすごいですねぇ。米倉斉加年画伯による、なんともエロチックでいてしかも荒廃感満載の絵で、ちょっとそのままでは持ち歩きできないですね。


どんなおどろおどろしい世界が待っているのかと、怖さ半分、期待半分で読み始めたんですが、前半はちょっと拍子抜けでしたね。


九州帝国大学法医学部の若林という教授が、精神病患者が、その病に至る経緯、その原因 、また、一般人と精神病の人間との間には大した差はない、五十歩百歩であるとの見解を延々と述べるくだりがあり、そのしつこさにちょっとうんざりしました。




また、なかなかストーリーが展開していかないところも読みずらい一因でした。しかし、(上)の最後のあたりからがぜん面白くなってきました。がんばって読み進めたかいがあったというものです。(下)に期待です!

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