トシの読書日記

読書備忘録

リアリズムの極致

2008-11-07 12:49:36 | な行の作家
西村賢太「小銭をかぞえる」読了

ブログのO氏が「実におもしろい」と言っていたので、どれどれと思って読んでみたんですが・・・。

これはあれですね。車谷長吉の亜流といったところでしょうか。内容は、間違いなく自分のことを書いてあるんですが、ここまでさらけ出すか?というほど、普通なら絶対人に言いたくない、自分の浅ましさ、醜さ、卑怯な部分をまぁ繰り出す繰り出す・・・。ちょっと読んでで辟易しました。

車谷と大きく違う点は、車谷の私小説は、それが一つの文芸作品として昇華しているのに対して、西村のそれは、ただのもてない男の愚痴話に終わってるところですね。残念です。

これを読んでから、出世作の「どうで死ぬ身の一踊り」を読もうと思ってたんですが、やめときます(苦笑)

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