EL&P図書室3号

2001本目の記事から2.5号から3号に変更

書籍 聖夜 佐藤多佳子 2010年

2016-10-03 10:04:37 | 関連書籍Emerson,Lake&Palmer
書籍 聖夜 佐藤多佳子 2010年  



ご存知の方も多い事と思いますが、
私がこの小説の存在を知ったのは、
今年の春でした。

小説とかは、このところ、全く読むこともできない状態ではありますが、
気になったタイトルの小説を、
「将来いつかは読むだろう」という理由のみで購入したりはしない事にしています。
結局、将来も読まずに終わるかも知れませんしね。

現時点では、資金的には中古レコード等の買いだめだけで目一杯ですが、
EL&P関連事項が掲載された書物となると、
買わざるを得なくなります。

この小説も、その中に入ります。

ようやく、9月の始め頃に、
読み終える事ができました。

鍵盤楽器を弾ける人には、
ひょっとしたら突っ込みどころもあるのかも知れませんが、
それでも、EL&Pマニアであれば、
EL&Pやキースの名前も出てきますし、
物語の中での扱いも決して低いものではありません。

これが、中学生向けの課題図書というのが、
驚きでもあり、世相を反映しているのかも知れませんね。

私は小学校の時など、
読書感想文を書いて下さいと、
担任の先生が説明するのですが、
一体何を書く事が大事なのか、
全く理解できませんでした。

解らないので、
あらすじを書いてみたりしていたのです。

というより、
読書をして何かを感じるという感性が、
自分の中に全く育っていなかったのだと思います。

ところが、
中学2年になって、
それまではろくに読みもしない課題図書を、
たまたま夏休み中に読破する事ができ、
感じた事をそのまま書いて国語の先生に提出したら、
とっても良いので、
町の賞に応募するとか言ってきたので、
かなりビックリしたのを覚えています。

その受賞式を町の公民館でやる際に、
石川啄木の研究者の講演もあったのですが、
今でもそのおおよその内容は覚えておりまして、
とある短歌の中に、
啄木が折に触れてお世話になった女性、
あるいは人生の途次でご縁のあった女性を、
その歌には全て折り込んであるのだというものでした。

その時は、ただただ、研究者が言ったことを知識として、
頭に入れたに過ぎませんが、
自分の作品に人生の女性遍歴(?)のようなものを、
短い歌の裏に全て折り込み潜ませる事が出来た
啄木の天才性を紹介する事で、
啄木を讃えたいという主旨のものであったかも知れません。

キースのELP四部作のピアノコンチェルトには、
家が火事で焼けてしまったので、
その怒りが込められているという話があったように思いますが、
それなどは、本人がそのように言ったので、
受け取る側も、「そうだったのか!」と認識できたわけです。

一方、この啄木の研究者は、
文章の裏にある隠されたメッセージ、
あるいは、「遊び心」といったものを、
長年の研究から導き出す事が出来たわけですが、
たどり着いた研究の結果が、果たして本当にそうなのかは、
他界した作者に確かめる事は出来ずに終わったようです。

この「聖夜」という小説を読んで、
EL&Pを聴いてみようと思った中学生もいるかも知れませんが、
この小説の背景にあるものをさらに探ろうとしたら、
登場するクラシックの音楽も一通りは聴かなくてはいけないのかも知れませんね。

それはそれとして、
この小説を読んで、中学生が、一体、どんな感想文を書くのであろうかは、
全く想像ができないわけでして、
優秀と称された感想文を読んでみたいものです。

話がアチコチに飛びましたが、
EL&Pファンで、なおかつ読書好きの方は、文庫本も出ていますので、
購入して読む事をお勧めいたします。

以上。

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