EL&P図書室3号

2001本目の記事から2.5号から3号に変更

「展覧会の絵」の受賞に関する事

2016-09-19 17:50:11 | 音楽誌に載ったEmerson,Lake&Palmer
「展覧会の絵」の受賞に関する事

先月に取り上げたニューミュージックマガジン誌(1973年4月号)において、
EL&Pの「展覧会の絵」が第一回日本インターナショナル・レコード賞の最優秀アルバムに
選ばれたという記事が掲載されていました。

この賞は、その年を第一回としているもので、
どこが主催しているかという事なのですが、
業界関係の音楽評論家達の自主的な主催によるもののようでした。

説明によると、

「アメリカのグラミー賞に相当するポピュラーのレコード賞として、
日本インターナショナル・レコード賞(略称IRA)が発足、
第一回(1973年度)受賞レコードとアーティストが発表された」

との事。

受賞対象になるのは、前年の1年間に日本で発売されたレコードとアーティスト。

運営委員は、
青木啓、藤井肇、福田一郎、木崎義二、中村とうよう、野口久光、鈴木道子、油井正一、
湯川れいこ

の計9名。

このメンバーに、
さらに8名の評論家、雑誌編集者を加えて、18名でノミネイト(候補者指名)の委員会を構成し、
マスコミ、放送関係の意見も取り入れて候補を決定し、
その候補の中から、さらに評論家、新聞雑誌記者、放送関係者など、合計193名に、投票を依頼し、最終的に受賞レコード、受賞アーティストを決定したとの事。

これだけを読むと、
この賞を頂戴できるのは、業界関係者のお眼鏡にかなった作品やアーティストに必然的に絞られてしまうという事になりますよね。

湯川れいこ氏も参加しているわけですが、
湯川れい子氏のEL&P評に関しては、
既に取り上げていますし、
それによると、「展覧会の絵」リリース当初の段階においては、
お勧めのアルバムとして全国を飛び回っていたそうですから、
この時点においては、
「展覧会の絵」の受賞に一役買ったであろうと思われます。

しかし、この日本インターナショナル・レコード賞というのは、
一体、いつ頃まで続いていたのでしょうか?

リアルタイムで、
この時点からニューミュージックマガジン誌を続けて購入していて、
注意を払っていた方であれば解る事と思います。

結局、「○○賞」というのは、
それ自体がずっと続いていている事で、
授与する側や「賞」自体に権威が出来てくるのだと思います。

但し、その賞の制度が、
無くなっていたとしても、
選者に名を連ねている人達が、
業界内で認められている人達であれば、
少しは意味を持つものかも知れませんね。

この時の賞は、27部門に分かれており、

EL&Pは最優秀アルバム賞の他に、
キース・エマーソンは「展覧会の絵」で最優秀編曲賞を受賞。
「展覧会の絵」は、最優秀ロック賞と、
3部門で受賞していたようです。

ネットで検索しても、日本レコード大賞ぐらいしか出てきませんでした。

以上。

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