ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

町で見つけたオモシロごはん…横浜・山手「ドルフィン」の、海を見ていた午後のランチ

2016年05月06日 | ◆町で見つけたオモシロごはん
ユーミンの歌の歌詞に、自身の恋愛歴を重ねて黄昏る世代、もうアラフィフに届かんとしている。ご多分に漏れず自身も同世代で、ゆかりの場所に身を置けば当時の想いがよみがえる、というよりも昭和は遠くなりにけりの懐古の念の方が強い。あれからン10年、自身も歳を重ね店も年季が嵩んだな、と、坂を登ったレストラン「ドルフィン」にひとしおの感慨を抱かずにいられない。

静かなレストランと謳われているこの店、今日はこどもの日だからか、ひとりで来てしまった的な客の姿はなく子連れの家族連れで賑わっていた。窓からは三浦岬も見えるピーカンな五月晴れだが、マンション群に遮られ港の風景がやや見辛くなり、窓辺にカモメを追いかけるのはしんどいかも。これも時の流れというか、抗い止まったままのこの店らしいというか。

ソーダ水を頼む客だらけの中で、あえてコロナビールをオーダー。ライムを押し込んだら泡が立ち上がったので、ボトルを持ち上げ窓辺に向けて貨物船を通す「お約束」をやってみる。ランチコースはサラダにオニオンスープと進み、メインは真鯛とメバルのムニエル白ワインソースかけ。南部市場が近いため魚介料理には定評があり、皮がパリッと身がしっとり、甘めのソースに白身が負けずに引き立っている。

テーブル越しの家族と水入らずのランチ、こんな時間がまあ幸せなのかなと、しみじみ思い入ったりして。それはそれとして、あの時云々の遠いあの日にもこっそり思いを馳せちゃいたくもなる、海を見ながらの午後である。