ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

ローカル魚でとれたてごはん98…青森 『アオモリスープ』の、地元産ホタテとイカのカレー

2011年06月28日 | ◆ローカル魚でとれたてごはん
 
 東北新幹線の延伸で注目を浴びている青森は、駅周辺に続々と新たな観光スポットがオープン。ちょうど1万円で乗り放題のJR東日本パスや大人の休日パスなどのお得きっぷの有効期間もあり、このところ日帰りで訪れる観光客が急増しているという。
 自分も昼過ぎに青森駅に到着、お昼はお好みで具材をのせられることで評判の「のっけ丼」をやっている古川市場に行こうとしたら、たまたまこの日はお休み。なので人情市場とタイプは正反対だが、しゃれた雰囲気のベイエリアへ。A-FACTORYはその名の通り、青森の名産品特産品を扱う施設で、青森ならではの食やみやげ、特産物の店が集まった、みやげと食の一大テーマパークである。
  
 ここは駅周辺に最近増えた物産展の中では一番品物の質がよく、入口周辺は物販コーナーの「マルシェ」で、津軽ファーマーズクラブ、野菜ソムリエなど、生産者の顔が分かる農産品や加工品が多い。りんごジュースも種類豊富で、低農薬や無添加など安全やクオリティの高さを競っている。みやげは青森シードルがおすすめ。館内にあるシードル工房では、日本一の生産地である青森りんごから、県産のふじとジョナゴールドを使用した青森シードルを製造。ガラス張りの工房ではシードルの醸造工程を見学でき、2階のレストランの一角ではカード式でサーバから各種試飲ができる。
 物販の奥はフードコートになっていて、イートインが可。グリル番紅花は八甲田牛、長谷川自然豚、青森シャモロックなどの地元産の銘柄肉を素材に、十和田で人気のバラ焼きや牛丼、親子丼といったメニューが楽しめる。 
 
 
ベイブリッジの直下にあるA-FACTORY。青森シードルはおみやげ向き
 
 
 その中から選んだ『アオモリスープ』は、青森近海で取れた旬の魚と丹精込めて育成された地野菜を素材に、青森の旬をスープで提供。地元の魚介を使った料理で注文したのが、八戸産マイカと陸奥湾ホタテの白カレーに、陸奥湾ホタテのクラムチャウダーである。
 カレーは地元産の牛乳をたっぷり使ってあり、穏やかでスープ屋ならではのほっとするルー。辛さは全然なく、クリーミーなスープご飯風。イカもホタテもともに夏前が旬で、季節の味わいがあふれる味。イカは旬で身がホッコリと厚く、サクサク、繊維がきめ細かい。銅の中央部はふっくらと甘みがあり、先端部はクキクキと香ばしく部位によって味わいが違う。ホタテは小粒だが柱の繊維が太く、磯の香りが舌をつつむよう。ヒモがザクザクとホタテの味が詰まっている。青森の最近の名物といえば、味噌カレー牛乳ラーメンというのがあるが、料理に地元産の牛乳をたっぷり使うのがご当地の食文化か。
 
 
カレーは辛さがあまりなく魚介の味が楽しめる。スープには大ぶりのホタテがゴロリ
 
 
 一方、スープはじゃがいものポタージュで、こちらも青森県産野菜に県産牛乳をたっぷり使っている。すりおろしたジャガイモとニンジン、刻んだ玉ネギが入っていて、特に地物のジャガイモポタージュと地元産のホタテの組み合わせが見事。貝の滋味を根野菜のまろやまな優しさが包み込んでいて、貝柱のツルツルした舌触りがれしい。ホタテは乳製品との相性が良く、貝の香りが際立ってポタージュというかクラムチャウダーのテイスト。
 施設は青森ベイブリッジの直下で、大きな窓から湾を行き交う船を見ながらいただける。窓口でてきぱき対応してくれる青森美人?のお姉さんも気持ちいい。(2011年6月22日食記)