ウマさ特盛り!まぜまぜごはん~おいしい日本 食紀行~

ライター&編集者&散歩の案内人・上村一真(カミムラカズマ)がいざなう、食をテーマに旅をする「食紀行」を綴るブログです。

町で見つけたオモシロごはん129…横浜 『ガーリックジョーズ』の、ガーリックステーキなど

2009年02月01日 | ◆町で見つけたオモシロごはん

 10月は家内と娘の誕生日があるため、我が家ではバースデーお祝い月間となっている。今年は、上旬の娘の誕生日はTDLで祝い、下旬の家内の誕生日は横浜のレストランで祝うことになった。よく利用する店は、みなとみらい地区・横浜ワールドポーターズにある、アメリカンスタイルのレストラン「LAST」。スタッフの人がテーブル横に集まって、「ハッピーバースデー」の合唱をしてくれるのが名物で、パーティにはもってこいの楽しい店である。
 そんな訳で、みなとみらい地区を目指してクルマを走らせ、パーティー候補の店へと向かうが、今回はワールドポーターズではなく、クィーンズスクエアへ。ディズニーストアでショッピングした後に、ステーションコア地下1階のレストラン街へと向かった。今年の夏に、息子のバースデーを祝ったインド料理の店がある一角で、ほかにも寿司や中華など、気になる店が軒を連ねているため、このところよく足を運ぶようになった。
 
その中の一軒『ガーリックジョーズ』は、以前夜に家内と二人で、ぶらりと食事に来たことがある。店頭では店員が、元気に呼び込みをしていて、店選びで迷っていたのに気づいてか、こちらにむかって「どうぞ!」と声がかかってきた。

 誘われるがままに店内に入ると、中は野菜をモチーフにした調度がいろいろ配置されているのが目をひく。ニンニク、玉ねぎ、ニンジン、アスパラなど、野菜の細密画やタイル画をはじめ、店名にゆかりからかニンニクを干したのがあちこちに吊るされていて、まるでヨーロッパの片田舎の農家のダイニングを思わせる。野菜の中にはカボチャもちらほら見かけられ、そういえば今はちょうどハロウィンの時期。店内はニンニクとカボチャの、コラボ的な様相である。
 そしてメニューはもちろん、ガーリックベースのものがズラリ。ケイジャングリルチキン、ガーリックオイル焼き、「バンパイヤキラー」とあるニンニクオーブン焼きなど、エスニックだが無国籍な品揃えが楽しい。いろいろ頼んでとりわけながらワイワイやるのがこの店流で、店の人もみんな元気でフレンドリーだ。
 そんな単品料理の数々に、いろいろ目移りがしてしまうが、3人用のセットメニューが用意されていたので、これに単品の料理を組み合わせることにした。コースと一緒にドリンクをオーダーして、まずは「おめでとう」の乾杯。前菜にはオリーブオイルが瑞々しいタコのカルパッチョ、続いて薄い生地がカリカリのガーリックピザと、オリーブにニンニクの香りがツンツン効いた料理からスタートである。

 ニンニクと聞くと、子供には少々刺激が強そうだが、食べてみると匂いや刺激はそれほどでもなく、むしろ食欲をどんどんとそそってくれる。ガーリックピザが気に入った子供たちは、エビマヨガーリックピザを追加。メニューの料理名の頭には、ニンニクマークや唐辛子マークが記してあり、辛さや刺激のレベルが分かるようにしてあるので安心してオーダーできる。
 ピザをおおよそ平らげたところで、コースは中ほどとなり、ここでニンニクスープでひと息。大きなニンニクの粒が、煮込まれてやわやわになっていて、ホクホク、トロリと優しい味だ。ニンニクはスペイン語で「アホ」だから、メニューには「アホスープ」と記されている。子供たちが名前に妙にウケており、スープを飲んでは3を数えて盛り上がっている。

 

左はガーリックピザ、右は「アホ」ことニンニクのスープ

 ここまでの料理のニンニクパワーは、まだまだ序の口。次の一品がいよいよ主役で、ジューッ、という音と芳しい香ばしさとともに、熱々の鉄板の上に載ったステーキが、テーブルへと運ばれてきた。コースの主菜である、ガーリックステーキの登場である。肉のボリュームもさることながら、ステーキの上を覆ってしまうほど、ニンニクチップと青ネギがどっさり載っていて、これは見るからに刺激的だ。
 肉がまだ熱々のうちに、上にニンニクと青ネギをどっさり載せたまま、ひと切れをガバッとひと口。ジューシーな肉の旨みをニンニクがぐっとあおり、どっしりとした食べごたえで、これはとまらないうまさだ。ネギとニンニクとくれば、さすがに匂いは強烈で、これは後で車の中で大変? なんてことは、皆で食べればお構いなし。ビールもどんどん進む味で、本日の主賓を差し置いて、どんどんおかわりしてしまっていけない。

 コースの最後はにんにく焼き飯に、ローストガーリック&モッツアレラチーズのトマトスパゲティーと、締めごはんと締め麺が両方出された。量が多そうだったが、ステーキにのったたっぷりのガーリックのおかげで食欲がドン、とあおられてしまい、両方ともペロリと平らげられた。仕上げには、子供たちはデザート。メニューをさっきあっちで見つけた、と、テーブルを離れてなにやら見に行ってしまった。
 すると、「こちらに持って来ましたので、ゆっくり選んでください」と、デザートのサンプルが据え付けられた大きなボードを運んできたお兄さん。どこかで見たパフォーマンスだな、と思ったら、当初行くつもりだった「LAST」にもあったのを思い出した。

 

締めのパスタもローストニンニク入り。にんにく焼き飯でさらに食欲が?

 これと同じデザートサンプルを、別の店でも見たことを話すと、ここと「LAST」は同系列の店とのこと。そういえば、なんとなく店の雰囲気もノリも似ているように思える。デザートにはさすがに、ニンニクメニューはないけれど、それぞれアイスやパフェなどを注文してごちそう様。
 あの店だと、誕生日の人にバースデーデザートがサービスされ、店の人が集まってハッピーバースデーコールをしてくれるのだが、子供の誕生日ではないのでまあよし、として、今日のところはこれにて店を後に。すると、店を出たところでお姉さんが、「記念にお写真を撮りますよ」と、ポラロイドカメラを片手に追っかけてきてくれた。
 そういえばあの店でも、みんな揃っての記念写真のサービスはあったっけ。こちらはありがたくお願いすることにして、店頭にずらり並ぶニンニク料理の数々と、ハロウィンの大カボチャを前に、みんなでニンニクの香りに包まれ(笑)パチリ。(20081023日食記)